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2010年EC市場規模調査、経済産業省、国内BtoCは7.8兆円に

2011年 6月12日 21:06

経済産業省は6月2日、2010年の電子商取引(EC)市場に関する調査結果を公表した。それによると昨年の日本国内におけるEC市場は、B〓Cが前年比16・3%増の7兆7880億円、BtoBが同28・6%増の168兆5170億円で、ともに順調な拡大を見せた。今回の調査では、中国を中心としたtoCの越境ECについても調べており、昨年における日本から中国への越境EC市場規模は968億円と推計。20年には最大1兆2600億円にまで拡大すると予測している。
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 BtoCのEC市場は、拡大基調を続けており、製造業と金融業を除く全てで増加。このうち小売・サービス業の市場規模は、前年比20・1%増の5兆2530億円。EC化率は、同0・4ポイント上昇し2・5%となった。
 
小売業は、全ての商材カテゴリーが2桁伸長となっており、特に医薬化粧品小売が同38・7%増の3120億円、衣料・アクセサリー小売が同30・2%増の1120億円と高い伸びとなった。

 また、市場規模が最も大きいのは総合小売で、同12・7%増の1兆6110億円。自動車・パーツと家具家庭用品、電気製品の合計も、同29・2%増の1兆2220億円と1兆円を突破した。このほかに、食品小売が同15・6%増の4360億円、スポーツ・本・音楽・玩具小売が同12・1%増の3330億円となっている。

 また、BtoB市場は、景況悪化の影響により2009年に大幅な落ち込みを見せたが、昨年はリーマンショック以前の水準にまで回復。業種別では、産業機器・精密機械(前年比42・5%増)、卸売(同36・1%増)、輸送用機械(同34・4%増)が高い伸びを示し、BtoBにおけるEC化率は、15・6%と前年比で1・9ポイント上昇した。

 一方、今回の調査では、政府として初めて日米中の3カ国間におけるBtoCの越境EC市場規模を公表。それによると日本の越境EC市場は中国向けが968億円、米国向けが613億円だった。

 調査は、現地消費者へのアンケートなどをもとに推計したものだが、特徴的なのは中国の消費者が越境ECの利用に積極的なことだ。

 実際、中国消費者の過去1年間における越境ECの利用率は58・7%(前年比約15ポイント上昇)で、日本消費者の18・9%、米国消費者の23・4%よりも高い水準。越境ECの利用額も、対日本が968億円、対米国が1209億円と、日米(日本=対米322億円、対中24億円、米国=対日613億円、対中653億円)を上回っている。

 また、今後の越境EC利用意向についてみると、「積極的に利用したい」「機会があれば利用したい」という回答が79・5%を占有。日本消費者の18・9%、米国消費者の27・5%を大きく上回る水準だ。

 今後、中国消費者の越境EC利用はさらに拡大しそうだが、経産省では、2020年の日本の越境EC市場は、中国向けが3800億から最大1兆2600億円、米国向けが1014億から最大1341億円の規模になるポテンシャルがあると予測する。

 同省でも、国内産業の振興を図る上で越境ECの不可欠と見ており、東日本震災の風評被害対策となる海外向けの情報提供サイト構築やマーケティング手法の調査研究のほか、アジア各国と制度整備の協議を進め、日本企業の越境EC展開を支援していく構えだ。


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