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花通販各社の母の日商戦、好調に推移――カギは"付加価値"

2011年 6月23日 12:00

8men.JPG フラワーギフト通販の今年の「母の日商戦」は、東日本大震災の影響があったが、概ね各社とも増収で推移したようだ。ただ、メールマガジンの配信自粛などで序盤に苦戦する傾向がみられたほか、消費マインドの低下などを受け、下方修正する動きもあったようだ。販促では、配送面の充実や早期予約者へのインセンティブ、商品ラインアップの強化など、価格訴求ではなく付加価値を追求する動きが各社にみられたのが今期の特徴だ。各社の母の日商戦の戦略を見てみる。

 千趣会イイハナの母の日商戦の売上高は前年比9%増だった。震災の影響はあったが、ベルメゾンからの誘導を明確にするなどのユーザビリティの改善が奏功した。

 同期間はSEOやアフィリエイト経由の集客が不調。先行販売期間は昨年同様、PCやモバイルと連動した特殊なDMを活用。売り上げは好調だったが、震災による影響で終盤は伸び悩んだ。

 ただ、千趣会のギフトの通販サイトで、イイハナのバナーを掲載して誘導したことで流入が増加。また、「当日バイク便」の利用を可能にしたことも奏功。受付最終日は、通常の約20倍の利用があった。さらに、受付期間は前年より1日延長。昨年は金曜日の午前10時までの販売だったが、今年は前日の12時までに延長した。これらの施策が「駆け込み需要」を取り込んだようだ。

 日比谷花壇も若干の増収だった。具体値は非公表だが「2桁はいかない程度」(日比谷花壇)の伸びだったという。早期予約者への付加価値の強化や、予約開始時点から「フルラインアップで」(同)商品を構成したことなどが増収につながったようだ。ただ、当初はさらに高い数値を予想。震災の影響で下方修正したという。

 2月8日から母の日の受付を開始。従来は一部の商品のみサイトに掲載し、DM発送時に全商品を掲載していたが、今期は早々にすべての商品を通販サイトで販売した。

 販促策は、早期に予約した顧客に対する付加価値を強化。4月24日までに予約した顧客限定で、セットで贈ることができる限定のバッグや紅茶などを紹介。スイーツと花束の組み合わせのアレンジも自由にするなどし、早期の囲い込みを図った。

 売れ筋はスイーツにアレンジメントフラワーの組み合わせ。和柄紋様のオリジナルの花器を使用した商品などが人気だったという。

 セレクチュアーの母の日商戦は、売上高は前年比5%増の5000万円だった。品ぞろえを1商品から21種類に増やし、価格を2000円~1万円台と幅広く用意したことが奏功。継続購入者が7割となり、前年同期と比べて10ポイント増加。全体の購入者数は3%増で推移し、客単価は数十円アップにつながった。

 母の日商戦の売れ筋商品はオレンジのカーネーションをアレンジした「魔法のお花」(税込価格3990円)で、累計5000個を販売した。夫婦それぞれの両親で合わせて1万円以内に収まる価格設定と、届いた時の顧客満足度が奏功。リピート顧客の購入率は約半分となっている。

 母の日商戦では用意した21アイテム全てが完売した。商品を選べるようになったことが利便性を高め、幅広いニーズに対応できたようだ。

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