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攻防・送料無料(4) NTTレゾナント・中田優 NTT-X Store店長

2011年 9月22日 17:56

7men.JPG ――パソコンや家電製品などの通販サイト「NTT―Xストア」で、昨年秋から送料無料キャンペーンを開始した。

 「これまでは1回の注文につき、一律で送料を400円徴収していた。当サイトの場合、商品ごとに送料無料と有料を設定できるため、これまでも一部売れ筋商品などはキャンペーンとして送料を無料にしていた。ただ、やはり全商品を無料にした方が顧客にとってわかりやすいと考え、導入を決めた」

 ――効果は。

 「送料無料にしたことによる効果だけを切り分けるのは難しいが、注文件数は増えている。効果はあったといえるのではないか。送料無料が消費者への『最後のひと押し』になってくれれば」

 「以前は、商品によって送料無料と代引手数料無料を同時に設定していたのだが、効果があるのは送料無料の方だった。クレジットカード決済を選択する顧客が多いこともあり、代引手数料無料の方はさほど効果が感じられなかった」

 ――注文単価について。

 「かなり下がるのではないかと危惧していたが、微減にとどまっている。極端に単価が低い注文が増えていることもない」

 ――キャンペーンの終了は考えているか。

 「今のところその予定はない」

 ――ただ、送料を無料にした分だけコストはかさんでいる。

 「問題は変動費用をどうやって抑えるかだ。(送料を)原価低減で吸収するという考え方もあるし、売価に反映させるという考え方もあるだろう。商品によってケースバイケースで対応する必要があるわけだ」

 「当社の場合、配送関連は共同運営会社である、パソコン卸のダイワボウ情報システムに任せている。全国14カ所の拠点から配送する仕組みのため、ローコストオペレーション可能なことが強みだ」

 ――家電関連では、ヨドバシカメラが当日配達を開始した。対抗する考えはあるか。

 「当社はダイワボウの流通網を使うことで翌日配達を可能にしているが、現在は多くのサイトが行っていることでもあり、さほど大きな強みになるとは思っていない。そのため、当日配達も検討課題ではある。ただ、ヨドバシが無料でサービスを行っている以上、後発で始めるなら何か売りがなければ消費者にアピールするのは難しいのではないか」

 「また、食料品ならともかく、デジタル関連商品の当日配達にどこまでニーズがあるか、という問題はある。費用対効果も考えなければならないだろう。もちろん、当日配達をコミットする以上は、どれだけ精度の高いサービスを全国で提供できるか、という点も問題となる」(聞き手は本紙記者・川西智之)
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