ハースト婦人画報社（本社・東京都港区、イヴ・ブゴン社長）は、通販サイト「エル・ショップ」とファッション誌「エル・ジャポン」との連携を強化する。通販サイトに登場するファッションアイテムを一足先に見せる小冊子を発刊し、「エル・ジャポン」の定期購読者に届けてサイト訪問を促す。一方、期間限定で通販サイトの購入者に雑誌の最新号をプレゼントし、「エル」の世界観を好む消費者のファン化につなげる。

同社は、２月末発刊の「エル・ジャポン」４月号に合わせて新たに小冊子「エル・ショップ　エクスプレス」（画像＝Ａ４判・４ページ）を２万５０００部印刷し、同誌の定期購読者に雑誌と同封したほか、「エル・ショップ」の購入客にも商品と同梱して届けた。

　これまでも、年２回程度、「エル・ジャポン」へのブックインブック型で「エル・ショップ」を紹介する冊子を制作。通販サイトで販売中のアイテムを取り上げて受注機能も設けているが、新媒体の「エクスプレス」はまだサイトでは扱っていない商品をクローズアップする。

　というのも、「エル」ファンはファッション感度が高く、セールを待たずに旬のアイテムを正価で購入する消費者が多いため、"エルっぽい＂商品を一足早く見せることで、当該層の購買意欲を刺激して通販サイトに訪問してもらうことを狙った。

　今後、小冊子はシーズンの立ち上がりに合わせて３カ月に１回発刊し、雑誌の定期購読者に届けるとともに、メルマガを購読していない通販顧客とのコミュニケーションツールのひとつとして活用する。

　一方、３月27日～31日までの５日間、通販サイトで商品を購入した消費者には「エル・ジャポン」の最新号をプレゼントする取り組みを実施。エル好きな通販顧客にサプライズとして届けるのと同時に、コンテンツサイト「エルオンライン」を含めたエルファンの深耕につなげる。

　運営面では、雑誌編集者と通販サイト運営部隊の連携を強化する目的で、月に１回、両スタッフが集まる場を設けており、３カ月先の編集内容、特集内容を共有して連動しやすい体制を整備したという。

　なお、同社は昨年６月に米メディア大手のハーストコーポレーション傘下となっており、「エル・ショップ」の物流や商品撮影など外部への委託業務については見直すことにしている。