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JIMOS、メルマガ経由売り上げ急増、「2回目」購入率も大幅アップ

2012年 4月 8日 21:19

化粧品の通販事業などを行なうJIMOS(本社・福岡市博多区、田岡敬社長)がメールマガジンを活用した販促に力を入れている。メルマガ経由の売り上げはネット売り上げ全体の30~40%に達しただけではなく、前年比で40~50%増と急成長している。成功の要因は、2006年から顧客の属性に合わせてメルマガを細分化したことや、htmlメールとテキストメールを状況に応じて使い分けていることにあるようだ。
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 同社では、週1回全ネット会員に送る通常のメルマガ以外にも、月初めには新商品やキャンペーンを紹介するメルマガを配信。さらには、顧客が購入した商品に複数回のフォローメール、特定商品の販促・購買履歴に連動したメールを送っている。

 履歴に連動したメールは、同社が年に一度販売する「エクストラリセットクリーム」で特に力を入れた販促を行っている。昨年の購入歴の有無、サンプル配布有無、その年の購買有無でそれぞれ分岐。購入歴がある場合は、値引きなどの優待オファーをつけたメルマガを、ない場合は商品訴求や使用者の声を中心とした内容に、さらにはサンプル購入のある場合は使用方法を説明して本商品購入へ誘導、ない場合はくちコミ紹介、といったように、属性にあわせたメールを配信している。同商品は1万8900円と高額なことから、メールを使った販促に注力しており、十数パターンに細分化してメールを送っているのが特徴だ。

 一方で、購入後にはフォローメールを自動で送信している。保湿クリーム「プロテクトバリアリッチ」を初めて購入した顧客には、まず7日後に使い方をフォローするメールを送る。その後、15日後に使用感に関するアンケートへの協力を要望するメールを送るが、ここまでは販促を行わない。ようやく1カ月が近づいた頃に再購入を促すためのメールを届ける。

 同社ネット企画部の渡邉篤アシスタントマネージャーは「2回目の購入への壁を超えるには、顧客満足度高めることが重要だ」と話す。こうした施策が功を奏し、新規で購入した顧客のリピート購入率は20%も上がったという。

 もう一つのポイントが、htmlメールとテキストメールの出し分け。メールの開封率はhtmlメールでしか測れないものの、「くちコミの紹介など文章が重要な場合はテキストメールの方が反応は良い」(渡邉氏)という。htmlメールとテキストメールの割合はほぼ半々となる。

 また見逃せないのがテキストメールの機動性。販促の方針を途中で変える場合、問題となるのがhtmlメールの作成期間だ。コールセンターで得た顧客の生の声をメルマガに活かしたい、あるいは購入率が落ちてしまったという場合も、テキストであればすぐに修正できるというわけだ。

 近年は手軽ですぐに発信できる販促手段としてツイッターを活用する通販企業が多い。ただ、同社では「(ツイッターは)当社の主力顧客よりも若い層が利用していることもあるが、受け取ってから2分後に発言が消えるツールで、きちんと読んでもらえる情報を発信するのは難しい」(渡邉氏)とみている。メルマガはツイッターよりも保存性が高く、実際に送付後1週間ほどは、開封率は伸び続けるという。今後も顧客のライフスタイルに合わせた形で情報を発信する考えだ。


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