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小林クリエイト 物流伝票は〝メディア〟、販促と業務改善サポート

2012年 7月27日 10:09

071.jpgのサムネール画像 「配送ラベルは、単なる物流伝票でしかない」。果たしてそうだろうか。見方を変えれば、顧客が確実に目にする"メディア"でもある。これを顧客接点と捉え、販促効果を生むメディアとしての可能性を引き出しているのが小林クリエイトだ。顧客要望に合わせて自在に設計するラベルフォームは、業務効率化や環境負荷低減にも威力を発揮する。

 独自の2層構造を持つ「メリットフォーム」は、発送指示書(ピッキングリスト)や納品書、宅配伝票、送り状などを各社の業務工程に合わせ1枚の紙に自由に設計できる一体型物流伝票だ。

 ある事業者の場合、A3用紙の左側に納品書、右側上段にピッキングリスト、同下段にポイントの通知用紙、次回注文用シールなどを配置している(画像)。

 特徴的なのは、発送指示書が擬似糊(剥がすと接着効果が無くなるもの)で塗工してあること。作業者が商品ピッキングを終えて剥がすと、そこに広告が現われる仕組みになっている。発送指示書は事業者の控えになり、一方は顧客への納品書になる。納品書と発送指示書を個々に出力する必要がないためマッチングミスを大幅に減らし、梱包、出荷など多工程の物流業務の効率化、作業品質の向上にもつながるというわけだ。導入したある物流事業者では、伝票処理時間の短縮やピッキング・検品・梱包作業の効率化で処理能力(出荷作業量)が88%向上した。

 広告部分は、事業者の狙いに合わせて、メッセージを添えたり、新商品の紹介、クーポン券の配布、キャンペーン告知などにも使える。顧客が必ず目にするであろう納品書が、リピーター促進のツールになる。

 宅配伝票に同様の効果を持たせた「メリットフォーム・リバース」は、送り状を剥がすと納品書が現われる仕組み。宅配伝票と一体化しているため、マッチングミスや作業負荷の低減、誤出荷による個人情報漏えい防止につながる。「メリットフォーム」同様、当然、納品書以外にもその使い道は事業者次第で選択肢はさまざまだ。



 ただ、ラベルを自在にデザインし、業務効率化や販促を狙っても、ある課題は残る。"糊もれ"の問題だ。シール状のラベルには、常にこのトラブルがつきまとう。

 一般的なラベル紙は、全面に糊が塗ってあり、これがプリンターの熱で溶け、紙からはみ出しトラブルに発展する。これが作業時間も遅らせる。

 だが、小林クリエイトでは糊の粘着力を維持しつつ、糊が熱で溶けてもはみ出すことがないよう独自の糊加工技術を採用している。このため、プリンターを選ばず印刷が可能という。

 また、擬似糊と通常の糊の配置・面積も自由にデザインが可能。このため、前段で述べたように、納品書と発送指示書を一体化できるのだ。一般的なラベル紙のように、捨て紙も発生しない。



 店舗を持たない通販にとって、商品が届く際に生じる顧客接点は、企業の姿勢、ブランドの世界観を伝える上で非常に重要なものだろう。そこで何を伝えるか、物流伝票においても、今一度踏み込んで考えてみる余地があるかもしれない。
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