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ハースト婦人画報社 紙媒体やDMで顧客深耕

2013年 3月 7日 10:46

 ハースト婦人画報社は、紙媒体やDM、メルマガをフル活用して自社通販サイト「エル・ショップ」の既存会員の購入頻度向上や、休眠客の掘り起こしにつなげている。

 紙媒体では昨年10月、通販サイトの開設3周年を記念した「エル・ショップ スペシャルブック」(A4判変型、24ページ)を同社発刊のファッション誌「エル・ジャポン」のブックインブックで展開。大手セレクトショップとコラボした商品など約70点を掲載し、ネットと電話で購入できるようにした。

 同社は10月1日から約1週間、地下鉄の表参道駅構内で柱巻きの広告を掲出したのと同時にラックを設置。同ブックインブックの増し刷り約1万部を配布したのに加え、「エル・ショップ」の休眠客にもメール便で送付したほか、コラボしたセレクトショップの店頭や都内のカフェにも配布した。

 また、11月下旬までは表参道交差点の大型看板でも「エル・ショップ」の広告を掲出して認知度アップを図った。

 11月下旬には、クリスマス商戦に向けた「こだわりの限定ギフトBOOK」(画像=8ページ)を上位顧客に届けた。同媒体は自分へのご褒美や大切な人へのプレゼントとして雑誌のエディターがプロデュースした限定色や特別なキットなど「エル・ショップ」でしか買えないファッションアイテム、雑貨をそろえて人気を集めたようだ。

 DMについては、エディターも参加してハガキサイズのDMを年末に2種類送付した。1つは、「エル・ショップ」会員でメルマガの未購読者約2万人にプレセールの開催を告知したもので、もう一方は情報サイト「エルオンライン」や同社発刊の雑誌購読者などに通販サイトを案内する内容とした。

 とくに前者のDMについては、メルマガ購読者だけがセール本番前に買い物ができることを強調したところ、約15%が新規にメルマガ登録し、セール2日目の売り上げが過去最高額を10%以上上回るなど効果があったという。

 同社では、メルマガ会員の年間購入金額が未購読者と比べて高いことから、一定のコストをかけてもメルマガ会員を増やす取り組みを強化している。

 メルマガ自体についても昨年11月に配信内容を変更。週2回のメルマガうち、金曜日に配信する「ウィークリーエクスプレス」では最新のトピックスのほか、1週間の売れ筋商品を紹介する。一方、火曜日配信の「ダイアリー」では、メルマガでしか読めない限定コンテンツを充実。バイヤーの日記を公開したり、エディターの私物やお気に入りの商品を紹介することで、刷新後はマルマガの開封率が3%上昇したという。

 こうした取り組みなどから、同社の前期(2012年12月期)通販売り上げは前年比約3割増となったが、今期も同様の伸びを計画する。ただ、今年は交通広告など費用対効果が分かりにくいプロモーションは避け、DMなどを活用して新客開拓とリピーター獲得の精度を高めたい考え。

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