千趣会は主要カタログ春夏号４誌で、ＡＲ技術を活用したスマートフォンの情報提供サービス「かざしてチェック」の展開を始めた。２月に無料配信を始めたアプリ「ベルメゾンカタログプラス」をダウンロードしたスマホを当該商品の画像にかざすと、商品利用シーンの動画やカタログにはないコーディネートなどが見られるもので、商品特徴に応じて画像の作り方も工夫したという。利用の拡大が進むスマホを通じ、カタログ誌面では掲載しきれない情報を提供するで、受注の拡大につなげる。

　今回、ＡＲに対応したカタログは、４月発刊の基幹ファッションカタログ「わたしの着たい服２０１３夏号」（４５２ページ、掲載商品数９５９型）とインテリア・雑貨カタログの「すむとこ２０１３夏号」（３６６ページ、同１０８０型）、大きめサイズのファッションカタログ「ラ・フィット２０１３夏号」（１６４ページ、同２９１型）のほか、５月発刊予定のオリジナルシューズブランドカタログ「ベネビス２０１３夏号」（68ページ、同１００型）の４誌。

　サービスの概要は、スマホ用アプリ「ベルメゾンカタログプラス」を起動後、「かざしてチェック」を選択して、「かざしてチェック」マークが掲載されたカタログの商品画像にかざすと、商品の動画や画像（30秒～１分程度）が見られるというもの。動画確認後のスムーズな商品購入を意識し、通販サイト「ベルメゾンネット」にもリンクしている。

　各カタログの「かざしてチェック」対応商品は、まず「わたしの着たい服」が約45アイテムで、誌面では紹介しきれないコーディネートやＷＥＢ限定のカラー、デザインなどを紹介。同カタログでモデルとして起用する女優・タレントの麻生久美子さん、大政絢さん、黒田知永子さんのメッセージ動画も用意する。

　また、「すむとこ」の対象商品は約30アイテムで、ＵＶや雨、汗対策など「夏の超最強アイテム」を中心に誌面ではイメージしにくい機能や使い方、家具の設置方法などの説明動画を展開。「ラ・フィット」（対象商品約25アイテム）では、ぽっちゃり体型のモニターモデルが商品を着用した動画・画像を用意し、顧客が実際の着用イメージやサイズチェックが行えるようにした。

　一方、５月発刊予定の「ベネビス」では、くつカテゴリーで動画を閲覧した顧客の商品購入率が高いことを踏まえ、掲載全１００商品に３６０度あらゆる角度から商品を確認できる動画を用意。さらに同ブランド独自の中敷機能についてもＣＧによる説明動画も展開する。

　他の総合通販や衣料品通販事業者などでも、ＡＲ技術を使いカタログから動画を見られる機能を提供しているところがあるが、やはり商品特徴に応じた効果的な動画や画像をいかに作るかがポイントになる。その意味では、カタログや商品の特性に応じた動画・画像を展開する千趣会の「かざしてチェック」での商品販売動向が注目されるところだ。