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ロコンド  アパレル強化へ本格始動、電話注文もスタート

2013年 5月30日 13:10

 靴とバッグのネット販売を手がけるロコンドは、次の成長ステージに向けてアパレル商材の取り扱いを本格化するとともに、電話注文の受け付けなどサービス水準を高めることで、ネット販売に慣れていない50代以上の消費者の開拓にもつなげる狙いだ。

 アパレルについては、今年3月に「ナノ・ユニバース」など人気3ブランド、約500型で先行スタートしているが、5月22日にはカラフルな色使いと個性的なデザインが人気のスペイン発のファストファッションブランド「デシグアル」と提携し、共同でマーケティングを行うなど連携を深める。

 今回の提携については、メーン顧客である30代後半の女性に向け、当該層に強いファッションブランドを扱いたいロコンドと、日本展開におけるブランド認知度の向上やネット販売チャネルの開拓を進めたいデシグアルの思惑が一致。「ともに成長できる」(田中裕輔社長)として実現した。

 「デシグアル」は、昨年12月に東京・原宿に日本初の旗艦店を開設したのに続き、今年4月には大阪・心斎橋店をオープンしたばかりで、数多いファッション通販サイトの中から会員数、訪問客数ともに実績があり、かつ他のブランドに埋もれにくく、マーケティングツールとしても活用できる「ロコンド」を日本の公式オンラインショップ1号店に選んだようだ。

 同ブランドは1シーズンに展開するレディース商材約1000アイテムのうち、アパレル300点、靴、バッグ、アクセサリーなど100点の合計400点を「ロコンド」に投入する計画。

 5-1.jpg「ロコンド」では、全品送料無料・30日間返品無料などのサービスが消費者に浸透しつつあり、「とくに尖ったブランドは、当社の『買ってから選ぶ』というコンセプトがフィットするのでは」(田中裕輔社長)とする。

 現時点で共同マーケティングの内容は具体化していないものの、リアルイベントが得意な「デシグアル」と共同でパーティーを開催したり、今後、発刊を検討しているロコンドのカタログ冊子で同ブランドの特集を組むなど、オンライン以外での露出を強化することも視野にあるようだ。

 同社では、「デシグアル」と同時にクロスカンパニーが手がける「アースミュージック&エコロジー」と「イーハイフンワールドギャラリー」の販売も開始。計9ブランド体制としているが、今春夏シーズンで100ブランド、3年後には1000ブランドの取り扱いを目指す。

 一方、サービス水準の強化では近く、電話注文の受け付けを始める。従来は、専任のコンシェルジュが靴選びのサポートやサイトの利用方法を電話で教えるなどしてきたが、電話注文を望む声が根強いこともあってサービス化を決定。コンシェルジュ機能は自社で継続するが、電話受注は顧客情報の管理面などから外部企業に委託する。

 また、6月には商品発送時に同梱チラシをテストする。内容は電話受注の開始やアパレルの取り扱いなどを紹介するもので、チラシが読まれるかを検証したのち、カタログ冊子の同梱も視野にあるという。

 昨今、送料無料や返品受け付けをうたう通販サイトは増えているが、ロコンドではアパレルや靴、バッグ、予約品、アウトレット品などすべてのアイテムが送料無料、30日間返品無料で、「年齢が高い消費者にとって『全品対象』はわかりやすい」(田中社長)とし、電話注文やカタログ冊子を展開することで、とくに50代以上のファッション通販初心者を取り込みたい考えだ。

 ロコンドの2013年2月期の取扱高は前年比3倍の約35億円で、14年2月期は60~70億円、15年2月期には100億円超を計画する。
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