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ユーキャン 通販ブランド「ココチモ」始動、3年で100億円目指す

2013年10月31日 10:18

 ユーキャンは11月1日、通販事業部を「ココチモ事業部」に改称し、通販ブランド「ココチモ」をスタートする。"ユーキャン"ブランドは通信教育の印象が強いため、別ブランドを打ち出して通販事業の独り立ちを加速する。

 同社では、20年以上前から通信教育との親和性が高いCDや出版物などの通販を手がけている。ただ、CD10巻セットなどの販売手法ではコンテンツが限定的になるため、5年ほど前に通販部隊の若手・中堅社員が集まってプロジェクトチームを発足。音楽や出版にこだわることなく、顧客の生活を豊かにできる通販商材を模索したという。

 2011年には通販事業部を設立し、月に数回、DMで防災セットなどを販売するほか、昨年秋には通販カタログ「悠々快適」(A4判・36ページ)を創刊。ハウスリストを活用してシニア向け商材を展開するなど通販のノウハウを蓄積し、いよいよ、11月から通販ブランド「ココチモ」を立ち上げることになった。

 新ブランドの名称は、愛着がわくよう通販事業部のメンバーで考えたという。「心地いい」と「もっと」をかけあわせ、「今よりもっと"心地いい"をお届けする」をコンセプトとする。

 「ココチモ」は通販ブランドの総称で、その中にシニア向けの総合カタログ「悠々快適」も置くほか、今後は、さまざまなサブブランドを作っていく考えだ。

 引き続きシニア層を重視するものの、ターゲット自体は広げ、「単品通販などリピート性の高い商品や食品の展開も視野にある」(手島篤志通販事業部部長=写真)とする。

 新ブランドの告知については、まずは11月1日に発送するDMやカタログ「悠々快適」の秋冬号、購入者への商品発送時に「ココチモ」ブランドの紹介冊子を同送する。冊子には事業部長をはじめバイヤーや媒体制作担当者など14人の「ココチモ」事業部員が登場し、顔を見せることで顧客の安心感を高める。

 現状、DMや通販カタログの送り先はハウスリストがほとんどだが、新ブランドとして来期(14年1月~)からは新規顧客の開拓に本格着手。2月には新聞広告や折込チラシなどを中心にマス向けのプロモーションを開始するほか、将来的にはテレビの活用やアンテナショップの設置も視野にあるようだ。

 また、通販サイトも開設する計画で、紙媒体の受け皿にとどまらない展開を目指し、「腰を据えてウェブの独自企画を実施できるようにしたい」(手島事業部長)としており、来年度中には本格展開を始める。

 同社では今期(13年12月期)、仕入商品だけでなく、オリジナルのバッグや靴下などを増やしたこともあり、通販事業の売上高は前年の13億円に対して20億円を見込んでいる。新ブランドが本格化する来期は今期見込みの倍となる40億円を、3年後には100億円を目指すことで、ユーキャングループが計画する売上高1000億円構想に貢献する。
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