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JIMOS買収のナック・寺岡社長に聞く、通販参入の狙いと今後の戦略は㊦

2014年 1月30日 16:03

"訪販顧客向け通販"も強化へ

2-1.jpg──ナックが手がけている通販の今後は。
 
 「我々は昨年1月から展開する宅配水事業『ククリラ』のお客様にボトル交換などの接客時に専用冊子『くらしえーる』を配り、そこで通販を行う試みをスタートさせているがJIMOSが傘下入りしたことで、これから大きく伸びていくだろう。JIMOSが持つ通販媒体の編集ノウハウや商品力が加わるためだ。現在、『くらしえーる』の担当者が福岡(=JIMOS本社)の会報誌を編集・発刊する部門に半年ほど編集ノウハウなどを学ぶために"留学"させている。JIMOSの会報誌は百貨店のバイヤー経験者などを中心に、自社商品はもちろんだが、時には他社の製品やサービスなども紹介している。そうした部署に実際に入り、いかに多くの取引先から自分たちのコンセプトに合致した商品を選別し、お客様に価値を感じて頂けるような価格帯で掲載できるか、などを体験しながら学んでいる。これまでは自前で何とか媒体を作ってきたが、プロのやり方を学び、効果的な媒体作りのノウハウを取り入れたい。また、商品調達面でもJIMOS経由でこれまで以上に様々な商品を仕入れることも可能になる。これまで『くらしえーる』は『クリクラ』のお客様を中心に行ってきており、『水』に関連する商材を中心としてきたが、今春からは『クリクラ』以外の事業のお客様にも配布先を拡大するため、より様々な商材を展開していこうと考えている。通販はやはりある程度、品ぞろえがないと魅力が出ない。JIMOSの商品調達力でここは大きく改善されると思う。こうした体制が整うこともあり、今春からナックが展開する各事業で導入するポイント制度のポイント消費先としても『くらしえーる』は大きく寄与してくれると思う」
 
──ポイントとは。
 
 「今年4月からナックが行う宅配水『クリクラ』、レンタルサービス『ダスキン』、害虫駆除機『with』といった各事業で共通のポイント制度を導入しようと考えている。利用回数や頻度に応じて独自ポイントを付与するものだ。貯めたポイントの消費先として『くらしえーる』を考えている。そのポイントで『くらしえーる』に掲載された様々な商品と交換できる仕組みだ。我々にとって『くらしえーる』は通販ビジネスという側面のほか、ナックの各事業のお客様を囲い込むための役割を担っている。むしろ、こちらの方が意味合いは強いと思う。宅配水事業は競合も多く、競争も激しいため、お客様に継続して利用頂けるような施策を考える必要があるが、ポイント制度は非常に有効的だと考えており、そのポイント制度を価値を高めるために『くらしえーる』が担う役割は重要になるだろう。もちろん、『くらしえーる』には今後、化粧品『マキアレイベル』を始め、JIMOSの様々な商品も掲載していく予定だ。先ほど話した通り、今春からは『クリクラ』の主に一般家庭のお客様(※「クリクラ」の総顧客数は50万件。うち、一般家庭が約12万件)以外にも『くらしえーる』を広く配布していく。特に『ダスキン事業』の一般家庭で使用されているお客様(※「ダスキン事業」の総顧客数は約30万件。うち、一般家庭が約24万件)はJIMOSがコアターゲット層とする40~60代が多く、親和性も高そうだ。JIMOSとしての新規顧客の獲得にも寄与してくるだろうと思っている。ポイント交換でまずはJIMOSの化粧品を使って頂き、その後に継続して使用頂けるような試みを考えていく」
 
──「通販」というビジネスをどうみるか。
 
 「宅配も含めてだが、通販のような個別配送型、個別接点型のビジネスは、今後、ますます伸びる分野であり、どの企業もここに力を注ぎ始めるのではないか。消費層は今後、どんどん年齢が上がっていくわけで地方のコンビニなどでも宅配サービスを開始し始めている。小売りは来店型から宅配型・訪問型にある程度、シフトしていくはずだ。その際、お客様へのアプローチ方法として、インターネットもあるだろうが、年齢が上がれば、我々の訪販のようなアナログ的なやり方が有効になると思う。お客様と対面して説明をして安心感を持って、購入頂くと。競争が激しくなってくると思うが、我々は自分達のやり方で他社ときちんと差別化をして、お客様に選ばれていきたい」  (おわり、㊥はこちら、㊤はこちら


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