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経済産業省の割賦販売小委員会、決済代行事業者対応を重視

2014年10月 2日 10:44

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経済産業省は9月26日、「産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会」の第1回会合を開催した。安全なクレジットカード決済の利用環境作りに向け、加盟店の管理体制やセキュリティ対策などを検討するもので、当日は、架空請求や詐欺的なサイト、ネット販売で購入した商品が届かないなどカード決済に関連したトラブルの原因について、委員から悪質な加盟店の存在を指摘する意見が続出。「割賦販売法」の規制をほぼ受けないまま、加盟店審査に関与する決済代行事業者の対応を問題視する意見が出された。

今回の小委員会でのクレジットカードに関する検討は、「割販法」が2008年の改正から5年経ち見直し時期に入っていること、今年6月に閣議決定された「日本再興戦略」でキャッシュレス決済の普及に向け、安全な利用環境の整備策を年内に取りまとめることを盛り込んだことなどを受けたもの。検討事項の概要は、(1)カード発行事業者や加盟店契約会社、決済代行事業者などクレジットカード取引に介在する事業者が増加する中での加盟店管理のあり方など環境変化を踏まえた制度の見直し(2)カード情報漏えいやカード偽造防止などセキュリティ対策の強化に向けた方策(3)その他になる。

 事務局の経産省側は(1)について、悪質な加盟店の増加がカード決済に関する消費トラブルの増加につながっていると見ており、その要因として、ネット販売の拡大などに伴い加盟店契約の締結や審査主体でありながら「割販法」の規制をほぼ受けていない決済代行事業者が増えていることがあると分析する。

 小委員会での検討テーマとしても、加盟店の契約や審査に関与する決済代行事業者などの主体を「割販法」上で位置づけ、加盟店管理に関する措置の義務付けを盛り込み、加盟店契約の締結、審査を行う事業者への登録制や届出制の導入や実地確認などの義務付け、カード発行事業者の苦情調査への協力体制や苦情調査体制などの検討案を提示。また、ネット販売を行う加盟店について、加盟店契約を結ぶ事業者に関する表示・情報提供を求めることや問題の多いクロスボーダー取引のトラブルに関する対応策などにも言及している。

 委員側からは、決済代行事業者の対応に関する意見が相次ぎ、日本弁護士連合会の池本委員が「審査が甘いから悪質な事業者が目を付けているのではないか」とするほか、日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会の大谷委員が決済代行事業者の介在する取引は「トラブルの解決が難しくなっている」と指摘。また、国民生活センターの鈴木委員が「相談員も決済代行事業者について十分に理解しきれていない」とした。このほかに、ECネットワークの沢田委員はカードを利用できる悪質事業者の増加が問題とし、「悪質事業者に対する執行強化の視点が抜けている」との見方を示した。

 小委員会では年内中に中間報告を行う予定で、今年度中に最終的な報告書を取りまとめるもよう。検討結果は「割販法」の見直しに反映される可能性が高く、カード決済を扱う通販・ネット販売事業者、サービスを提供する決済代行事業者としても、議論の方向性が注目されるところだ。

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