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銀座ステファニー化粧品 売上高10%増の120億円に、ドラッグ卸など流通戦略強化

2014年12月18日 15:54

031.jpg 韓国生活用品大手、LG生活健康グループの銀座ステファニー化粧品(以下、銀座ステファニー)の2014年12月期は、売上高が120億円となる見通しだ。今年7月に健康食品通販を行うR&Yを吸収合併。単純比較はできないが、2社の前期売上高の合計は約112億円のため、前年比で約10%増になる。来期は、健食の流通戦略を強化するほか、化粧品では新ブランドも立ち上げる。

 増税に伴う一時的な広告効率の悪化はあったものの、効率のよい広告媒体に出稿を絞り増収を維持した。旧R&Yが展開していた「プラセンタ100」が新規獲得をけん引。銀座ステファニーの化粧品事業は横ばいで推移した。

 来期は、化粧品事業で30代後半以降の女性を対象にした新ブランドの開発を進める。秋口の発売を視野に、韓国に大規模な自社研究所を持つLG生活健康が商品開発を行う。新ブランドは、新規獲得の入口商品として育成を目指す。

 銀座ステファニーと旧R&Yの販売管理システムは2年をめどに統合を目指すほか、2社が保有する顧客リストや知見の相互活用も進める。

 銀座ステファニーは顧客の担当制を敷く「コンシェルジュサービス」によるリピート施策に強みを持っていたが、その評価指標は「購入単価」などに限られていた。今後、旧R&Yのノウハウを活かして通販を強化。顧客分析に向けたKPI(重要業績評価指標)の設定やオペレーターの評価指標を設定する。効果検証の精度を高めることで、筋肉質なビジネスモデルに作り変える。また、「プラセンタ100」のクロスセルも強化。今期は、1回のキャンペーンを行い、約2億円を売り上げた。

 11月には、旧R&Yの顧客に「コンシェルジュサービス」を提供するための専用部隊を組織。クロスセルや定期顧客の離脱防止、顧客育成を行い、健食事業の収益性を高める。平均購入単価をこれまでの約9000円から1万円に引き上げることを目指す。

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 一方、「プラセンタ100」の単品依存から脱却し、ビジネスモデルを再構築する間に流通戦略の強化で成長力を維持する。旧R&Yでは、これまで約500店舗に「プラセンタ100」の卸販売を行い、今期は約5000万円を売り上げていた。店舗数は、来夏をめどに1万店舗にまで拡大。来期に10億円の売り上げを計画する。

 販売チャネルの拡大では、ドラッグストアの専用商品として開発した「プラセンタ100ぷるうる」を展開。すでにコクミンやツルハホールディングス、ココカラファイン、クリエイトエス・ディーが展開するドラッグストアと、ドン・キホーテが展開するディスカウントストアの一部店舗に卸販売が始まっている。

 年内に卸先を5000店舗にまで拡大。ドラッグストアルートのほか、美容室やコンビニなどほかの販売チャネルへの展開も視野に入れる。

 また、他社のPB商品を企画・製造する新事業も始める。来年はじめに店頭市場で展開する企業向けのPB商品の提供を開始。国内の製造会社と連携を図るほか、グループにLG生活健康の研究所を持つ強みも活かし取引先のニーズに応える。

 銀座ステファニーの前期売上高は約60億円、旧R&Yは同約52億円だった。銀座ステファニーが旧R&Yを合併した当時、旧R&Y出身で副社長に就任した竹尾昌大氏は、安定的に年5%の成長率を維持していくことを目標に掲げていた。

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