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ナック  "ひと手間"を楽しむギフトブランド立ち上げ

2015年 1月15日 10:11

 3-1.jpg自分好みに、あえて"ひと手間"。宅配水事業などを展開するナックは昨年の11月に新たにギフトブランドを開始した。専用サイトを開設し、立ち上げ時で食品関連を中心に約20商品をとりそろえる。独特の商品群が並ぶが、そこには同社のこだわりがあるようだ。

 新しいギフトブランドは「ギッセンブル」。「ギフト(贈り物)」を「アッセンブル(組み立て)」するという意味の造語だ。同社執行役員で同ブランドを立ち上げた新規事業兼海外事業部長の小林貴之氏によると、「自分なりに、あとちょっとの"ひと手間"を楽しみたい人がいる」と分析し、そこで「プロセスを楽しめるものを集める」というのが商品ラインアップについての方針だ。

 小林氏が以前読んだある記事によると、ギフト市場が縮小傾向にある中で、百貨店が既存のギフトセットをバラして商品を個別に販売する"解体セール"を実施したところ多くの反響があったという。見方や方法を少し変えることによって「新たな市場が出現する可能性がある」(小林氏)と感じた。

 同時に「どんな大ヒット商品であっても不満足を抱える人がいる。それを改良すれば、別の市場ができる」(同)と考え、「だったらいいのに」をかなえるギフトブランドを立ち上げたというわけだ。

 そうした理念を商品ラインアップに反映させた。キーワードの1つは「未完成」。例えば販売している「醤油の素」は、瓶の中に昆布やかつおが入っており、そこに自分で醤油を加えると自家製のだし醤油が完成するというもの。「そのプロセスによって自分好みの味調整を楽しみたいというニーズが満たされるのではないか」と小林氏。そのほかにも「パエリアセット」「ホットワインの素」「ドレッシングの素」「ポン酢の素」などを取りそろえる。商品は製造元と提携してOEMで提供を受け、すべてオリジナル品で投入している。

 現在、複数の新商品を準備中で、その1つが枝豆、ナス、トマトなどの「野菜の栽培セット」。器・土・種が一式のセットになっており、自分で野菜を育てて最終的に食べることができるというものだ。ギフトを受け取った側が「芽が出たよ」などと贈り主に写メを送ったりすることで「贈った側ももらった側も楽しめる」(小林氏)というわけだ。

 「ギッセンブル」は11月末にアマゾンにも出店。1月末から雑誌での告知なども実施する。また、ナックは宅配水事業やダスキン事業などを通して一般家庭に35万軒程度の顧客を持つが、納品の際などに担当者が直接顧客宅でギフトサービスを告知することも可能となる。同社は来期(2015年4月~)から本格的に「ギッセンブル」の販促を仕掛けていく計画で、来期1年間で1億円の売り上げを目標に掲げている。

 あえて"ひと手間"をかけて、完成までのプロセスを楽しむ商品群が、果たしてギフトとして人気を呼ぶのか。今後に注目したい。
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