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金氏高麗人参  自社原料で特許取得、将来的には新制度対応も

2015年 2月26日 13:41

 
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 金氏高麗人参が2月、自社商品に使う高麗人参の成分組成に関する特許を取得した。高麗人参は、さまざまな機能性成分を含む複合素材として知られるが、特定成分の組み合わせや含有量の割合から自社原料を規格化。一定の品質を確保する成分組成に関する特許を取得したことをパッケージや広告で表示し、顧客からの信頼性を高めていく。独自原料として囲い込む狙いもある。



金氏高麗人参では、自社で特定した高麗人参の機能性成分によって原料を規格化。特許は一定の割合でその成分を含む組成に関するもの。2013年に特許取得 の国際機関であるPCT(特許協力条約)に出願を行い、原料の成分組成に関する新規性や進歩性の審査を行っていた。肯定的な評価を受け、日本国内で特許を 取得。今後、アメリカや欧州での特許取得も視野に入れる。

 特許取得により、原料の同一性を担保する足がかりを得たことになるが、一方で4月に始まる食品の新たな機能性表示制度の活用は慎重に検討する。新制度では表示できる範囲が限定される一方、高麗人参はさまざまな機能が期待される原料であるためだ。

  高麗人参の機能性成分として知られる「ジンセノサイド(人参サポニン)」は、40種類以上あり、それぞれ働きが異なるとされる。金氏高麗人参ではエビデン スの蓄積に向け、理学博士や薬学博士の資格を持つ11人の研究者からなる「品質保証・研究開発室」を設置。「ジンセノサイド」のうち、32種類まで分析で 特定している。

 「ジンセノサイド」は、それぞれ異なる働きをしており、現在、広告では女性向けに不定愁訴(頭が重い、慢性疲労などなん となく体調が優れないという自覚症状)や、男性向けに滋養強壮に近いイメージで訴求している。機能が特定しにくく、表示を限定することで消費者が混乱する 可能性もあることから新制度になじむかを慎重に判断する。ただ、将来的な制度活用も視野に、外部の研究機関との共同研究などエビデンスの蓄積は行ってい く。

 主力商品の「神秘の健康力」は、高麗人参の一種、紅参のみを使う。紅参粉末と熟成により吸収率を高めた「熟成エキス粉末」を含む 「レギュラー」(90粒入り、税込7560円)と、「熟成エキス」のみの「ゴールド」(90粒入り、同1万2960円)を展開。13年には高麗人参を配合 した健食で国内売り上げ1位を達成した(日本能率協会総合研究所調べ)。通販市場に限ると6年連続で売上高1位(同)を獲得。今年1月に、累計販売個数は 1000万個を突破している。

 前期(14年4月期)の売上高は約63億円。通販事業が大半を占めるが、特許取得を受けて、原料供給やOEM対応も強化していく。

 PCTは、日本を含めた加盟国すべてに出願した効果を得ることができる国際出願の仕組み。特許権の付与は各国の判断だが、特許取得に必要な要件を備えているか、予備的な審査も受けることができる。

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