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機能性表示食品 「グルコサミン」登場、アサヒは医師「見解書」で病者判断

2015年 6月18日 17:13

 「機能性表示食品」が37商品になった(1件は届出を撤回)。消費者庁は6月10日、新たに3社10商品の届出を受理。グルコサミンの"関節対応"、テアニンの"リラックス作用"などこれまでにない機能性表示も生まれた。いずれもシステマティックレビュー(SR)による機能性評価だが、「一報」の論文を根拠としたSRで届出が受理されたのも初めてになる。

 アサヒフードアンドヘルスケア(以下、アサヒ)は、「グルコサミン塩酸塩」を機能性関与成分に「ディアナチュラゴールド グルコサミン」で届出を行った。機能性表示は、「グルコサミン塩酸塩はヒザ関節の動きの悩みを緩和することが報告されています」。7月7日の発売を予定する。"関節対応"の成分として知名度が高いグルコサミンで届出が受理されたのは初めてだ。

 機能性は、SRで評価。関節系は、ひざの痛みの程度から病者と健常者の境界の判断に頭を悩ませる企業が多く、このため、コラーゲンペプチドで膝関節への機能性表示に挑んだキューサイ商品の"病者判断"にも業界内の評価は分かれる。消費者団体からも複数の疑義情報が消費者庁に提供されている。

 対するアサヒの商品は、評価に使った論文が一報であるほか、オーストラリア人を対象にした論文であるなど日本人への「外挿性(※)」が判断されている。採用論文数について、消費者庁は「一報でも可」としているが、これを否定する論文が出てきた時のリスクにも言及している。外挿性について、アサヒは「食生活、生活インフラが日本と同等であり、日本人への外挿は可能」としている。

 また、論文に記載されている被験者の"病者判断"だが、アサヒは、医師の判断を「見解書」という形で提出した点が新しい。整形外科の専門医に判断を仰ぎ、「(採用論文の被験者は)『ガイドライン』で定義される『疾病に罹患していない者』を対象にした試験の報告と考えられる」としている。

 森下仁丹は「L―テアニン」を機能性関与成分に「テアニン」という商品で届出を行った。機能性表示は、「L―テアニンには作業に由来する緊張感を軽減する機能があることが報告されています」。7月6日の発売を予定する。

 睡眠の質を高めるなどの作用が期待され、多くの企業が商品に使うテアニンだが、この成分も届出が受理されたのは初めて。機能性は、SRで評価。最終的に3報の論文で評価した。

 Mizkan(ミツカン)は、「ブルーベリー黒酢」「アサイー黒酢」など希釈タイプの黒酢飲料と、そのまま飲める「りんご黒酢ストレート」など計8商品の届出が受理された。機能性関与成分は、「酢酸」。「(食酢の成分である)酢酸には肥満気味の方の内臓脂肪を減少させる機能があることが報告されています」といった表示を行う。8月3日の発売を予定している。

 機能性は、システマティックレビューで評価。アサヒと同様、採用文献は一報で、機能性を評価している。

 ※外国人を被験者とした海外の研究の場合など、外国人は栄養状態や食習慣、環境が異なる可能性があるため、その結果を日本人にそのまま当てはめることの妥当性に関する考察が必要になる。
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