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世界文化社 上位顧客向けカタログ発刊、成城石井とのコラボも好評

2015年 6月25日 10:05

 世界文化社は今期(2016年3月期)、上位顧客向けの通販カタログを発刊してさらなるロイヤル化を図るほか、スーパーを展開する成城石井とのコラボ食品を販売するなど、MD面でも新たな挑戦に乗り出している。

 世界文化社の前期(15年3月期)の通販売上高は、消費増税後の買い控えの影響が長引いたことから、利益面を重視して配本の効率化を徹底するなど我慢の1年だったという。具体的には、カタログの配布部数は休眠客を対象に一時的にストップすることで10%以上削減したのに加え、ページ数も食品以外のカテゴリーを抑えて約10%削減したほか、販促費も大幅に削ったことで、前期は29億円弱で着地した(※14年3月期は5カ月の変則決算)。

 好調な食品については、雑誌「家庭画報」で特集されることが多いこともあり、通販事業にとっても顧客の入り口として機能しているようだ。

 今期も効率を重視し、配布部数も同水準を維持するが、ページ数は元に戻す。また、新客獲得には力を注ぐ計画で、他の通販会社にカタログを同梱するなどの取り組みも行いたいとしている。

 優良顧客に対するフォロー施策としては、今年4月初旬に上位顧客専用のカタログ「家庭画報クラスL」を創刊した。同媒体はジュエリーや高級バッグ、高級食材など高額な商品だけでなく、ケータリングセットやオリジナル住所印、コンフォートシューズなど質の良い商材を幅広く選んだ。掲載商品の約90%が同媒体向けのアイテムで、同社他媒体での扱いは少ないという。

 「家庭画報クラスL」を送付したのは年間買い上げ金額が高く、一定の購入回数がある上位顧客2000人で、通常の媒体とは別に、「特別なあなたに」と記載した当該誌用の封筒で届けるなど特別感を演出した。

 新媒体の受注期間は7月末までで、第2号は9月下旬を予定。年間4回の発行を計画しており、今回の売り上げや上位顧客の詳細分析などを行った上で対象者の人数を含めて再度、選定する。
えびめん第2弾期間限定で販売

 MD面では5月1日、成城石井と共同開発した中元向けの食品3商品の販売を自社の通販チャネルで始めた。出足は3商品ともに好調で、とくに「成城石井×家庭画報 点心セット8種」は200セットの限定販売を予定していたものの、約1週間で完売したため、300セットを追加発注した。同商品は食品カタログ「デリシャス宅配便」で売り上げ1位になったほか、同時に販売した「国産果汁のひとつぶゼリー7種」と「手巻納豆三種ミックス」もベスト10に入るなど"家庭画報"と"成城石井"のダブルネームに信頼感を持ってもらえたようだ。

 「点心セット」の購入者を分析した結果、60%以上が他の食品も購入しており、同じく約30%がファッションや雑貨なども買っているコアな顧客であることが判明。成城石井ブランドとの相性が確認できたため、コラボ第2弾も前向きに検討しているようだ。

 一方、売り場の開拓については、昨年3月に明治屋ストアーで通販のオリジナル食品「家庭画報のえびめん」の店頭小売りをスタートしたところ反響が大きく、全国の高級スーパーを中心に売り場が広がり、同商品の売上高は前年比3・8倍に拡大。現時点で展開店舗数は122店舗に拡大しているが、今後も取り扱い店舗を増やしていく考え。

 また、9月1日には「家庭画報のえびめん」の第2弾として、トルコ産の胡麻を加えた「金胡麻香る家庭画報のえびめん」を明治屋ストアーなどで、期間限定販売(11月末生産分まで)することが決定。雑誌「家庭画報」本誌でも第2弾の取り組みを発信するとともに、読者から「家庭画報のえびめん」に合う"ちょい足し"レシピを募集する企画も行う。

 なお、世界文化社では今期の通販売上高は30億円弱を計画。同社は夏場の売り上げが大きいが、冬にも売り上げのヤマを作りたい考えで、今期はジュエリーやファッション商材を中心に展開する特別号を冬シーズンに発刊する計画という。

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