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アマゾンジャパンが法人向け間接資材を本格販売、日本版アマゾンビジネスの布石か?

2015年 7月 2日 10:35

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アマゾンジャパンは6月29日から、産業用資材や研究開発用品などの間接資材の本格販売を開始した。展開する通販サイト内に専用ページを新設し、作業用消耗品や業務用清掃用品、運搬・包装用品などを販売する。従来から当該ジャンルの一部商品は販売してきたが専用ページの開設で企業や研究機関など法人需要の取り込みを本格化させたい意向。米アマゾンではすでに法人向け通販を本格化させており、今春には「アマゾン・ビジネス」と呼ばれる専用サイトを開設している。アマゾンジャパンでも今後、同分野に本腰を入れていく模様で今回の試みはその試金石となりそうだ。

運営する通販サイト内に新設した「産業・研究開発用品ストア」(画像)では従来からある専門ページ「DIY・工具ストア」で取り扱っていた一部の作業用消耗品や運搬・包装用品の品ぞろえを大幅に拡充させたほか、試薬・計測機器などの「研究開発用品」やねじ・ボルト・ナットなどの「結合・固定部品」、工業用スイッチなどの「エレクトロニクス部品」、「衛生用品」「切削工具」「FA・メカニカル部品」などを新たに追加、販売をスタートした。
 同ページではアマゾンによる直販と出店者による販売で取扱商品数は約170万点となる。そのうち、アマゾン直販商品の割合については「開示していないが(アマゾンからの直販)商品も相当増やした」(同社)という。
 専門ページの開設で間接資材の販売を強化し、「企業や学校、研究機関に代表される幅広い法人のお客様へのニーズに応えたい」(同)とし、詳細は不明だが、今後は法人への拡販策などを展開していく模様だ。なお、7月1~14日までは最大68%オフとする同ページの開設記念セールを実施する予定。
 親会社の米アマゾンでは法人向け間接資材の販売を強化しており、アマゾン内に開設した「産業・研究開発用品ストア」を強化する形で2012年には50万点以上の関連商品を販売する「アマゾンサプライ」を開始し、BtoB通販に本腰を入れ始め、今年4月にはさらに規模を拡大させ、企業のオフィスや工場や病院、学校などで使用される商品を販売する「アマゾン・ビジネス」として再スタートし、BtoB通販をさらに強化している。
 アマゾンジャパンが米社と同様の展開を目指すか否かは不明だが、今回の「産業・研究開発用品ストア」の設置はBtoB通販の強化策であることは間違いなく、順調に売り上げが拡大していけば、次のフェーズとして「日本版アマゾン・ビジネス」の開始につながる可能性も否定できない。
 日本ではアスクルやMonotaRO、RSコンポーネンツなどが法人向け間接資材の通販で先行し、し烈な争いを繰り広げているが、アマゾンの参入とその動き次第ではさらなる競争の激化も予想される。

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