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食品安全委員会、健食を総括的に評価

2015年10月22日 10:35

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食品安全委員会の「いわゆる『健康食品』に関する検討ワーキンググループ」が、いわゆる「健康食品」に関するメッセージ案を作成した。事務局は、「食安委が健食について総括的に評価するのは初めて」としている。"メッセージ"は、消費者教育を念頭に作成しており、リスクコミュニケーションに活かしていく。

作成を目指すのは、「『健康食品』に関するメッセージ」と「『健康食品』に関する具体的な論点」。消費者の中でも食の安全に関する理解度に差があることを考慮し、文書を2つに分けた。

 「―メッセージ」は一般消費者向け。「―具体的な論点」は、最終的に「報告書」としてまとめる。メッセージ作成にあたって、提言の根拠とした具体的な事例や今後の課題を盛り込んでおり、学識経験者や教育関係者など、より詳しい情報を求める層に向けたもの。10月19日に行われた第3回会合で、各案を提示。今年度中にまとめる。

 食品安全委員会では、食の安全に関連してこれまで「食の安全ダイヤル」という専用窓口を設置、消費者からの問い合わせに対応してきた。今回、作成を目指す「―メッセージ」は、パンフレットによる配布やホームページでの公開、勉強会における講演などリスクコミュニケーション(リスク情報の関係者間の共有)に活かしていく。

 メッセージ案は、「健康食品」について、法的な定義はないと説明。トクホなど保健機能食品を含め、いわゆる健食まで幅広い食品を対象にしているとしている。
 メッセージは「食品としての安全性に関する項目」「『健康食品』の安全性に関する項目」など全19項目(=表)。「―具体的な論点」はこれに対応する形で、各項目の提言に至る具体的事例が示されている。

 例えば、「『食品』だからたくさん食べても大丈夫と思っていないか?」という項ではウコンによる肝障害やイチョウ葉エキスによる健康被害の事例を例示。「長く続けて食べた場合の健康への効果や安全性は正確にはわかっていない」というメッセージでは、β―カロテンが喫煙者の肺がんリスクを挙げるという作用があることなどを紹介している。

 「栄養素としてのビタミン・ミネラルの補給」を説明する項では、通常の食事をしていて欠乏症を起こすものはないと言及。むしろ自己判断での摂取は過剰摂取につながるリスクが懸念されるなどと説明している。

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