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集英社  雑誌サイトからの集客効果、物流改革で利益面でも貢献へ

2016年 7月28日 10:43

 5-1.jpg集英社は今期(2017年5月期)、通販売上高70億円強を目指して集客力強化や主力売り場の実店舗展開などに取り組む。

 通販サイト「フラッグショップ」(=画像)の集客策では、同社運営の女性向け情報サイト「ハッピープラス」および女性ファッション誌のウェブサイトからの導線を強める。現在進めている各雑誌サイトのリニューアルを機にEC連携を深める。例えば、雑誌「マリソル」のサイトを7月7日に刷新したが、オープン記念として同誌オリジナルブランドの「エムセブンデイズ」で体型をカバーしてくれるワンピースを商品化。雑誌サイトでも紹介してECへの集客と購買につなげた。

 雑誌「バイラ」と「モア」のウェブサイトでも、通販サイトの売れ筋ランキングや新着商品情報などのコンテンツを掲載。EC誘導する取り組みをスタートして成果が出始めているようで、今後は雑誌サイトに登場する人気ブロガーに商品を着用してもらって情報発信することも検討しており、若年層ショップの立て直しを図る。また、異業種との連動企画などで外部サイトからの集客も強め、新客開拓につなげる。

 主力通販誌「エクラプレミアム」については、雑誌「エクラ」の10月号(9月1日発刊)で表紙モデルが黒田知永子さんから富岡佳子さんに変更となることから、通販誌では過去のヒット商品やコーディネート写真などをまとめた黒田さん企画を展開する。ただ、これまでは黒田さんを前面に出すことで「エクラプレミアム」の売り上げを下支えしてきたため、黒田さんファンの離脱を防ぎながら、SNSフォロワーの多い富岡さんファンの開拓を進めるバランス感覚が求められそう。

 オリジナルブランド「トゥエルブクローゼット」などが好調な「LEEマルシェ」では、10周年企画の一環で秋冬シーズンに人気ブランドとのコラボ商品を販売するほか、大手百貨店や商業施設への出店も計画する。

 来年2月には通販サイト「フラッグショップ」も10周年を迎えることから、同サイト名を冠した実店舗の出店も検討しているという。

 また、取引先ブランドとの在庫・データ連携も推進。8~9月にはオンワードやユナイテッドアローズとの連携を開始する。キャリア女性に強いオンワードの主力ブランドに加え、初めてセレクトショップの商材が品ぞろえに加わる。

 一方、今期は経費削減にも取り組み、売上高だけでなく利益面での貢献も目指す。物流面では、関係会社で出版物流を手がける昭和図書と新たにタッグを組み、7月中をメドに従来のアパレル通販企業の倉庫から同社の倉庫(埼玉県戸田市)に移転する。

 これまで完全に外部委託していた倉庫内業務についても、100%子会社のプロジェクトエイトの物流専任者を移転先の倉庫に配置し、撮影業務も集約することでコスト削減を図るとともに、物流およびフルフィルメントを自社でコントロールできるようにする。同倉庫の保管面積は従来の約3割増となるが、ゆくゆくは2倍程度まで拡張可能という。

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