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JAROと粧工連の化粧品ネット広告調査 85%に問題表示、適正化要請

2016年10月20日 13:36

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日本広告審査機構(JARO)と日本化粧品工業連合会(粧工連)が共同で医薬部外品を含む化粧品のネット広告を調査した。300件の調査のうち85%(255件)が「医薬品等適正広告基準」に抵触する恐れがあると判断。結果を受け、会員に広告表示の適正化を求める要請文を出した。調査を行うのは初めて。近年、化粧品のネット広告比率が高まり、販路としても拡大していることから行った。来年以降も定期的に調査を行うかは検討中という。

調査は、7月から約1カ月、「スキンケア 化粧水」「スキンケア 美容液」などスキンケア関連の12のキーワードを検索して行った。対象は、リスティング広告とリンク先のランディングページ(LP)。医薬品等適正広告基準に照らして判断した。

 リスティング広告自体に抵触の恐れがある表示は約22%(67件)、LPに抵触の恐れのある表示は約83%(250件)だった。

 多かったのは、広告基準で禁止されている「効能効果、安全性の保証」(72%、216件)や「化粧品の効能効果の表現の範囲の逸脱」(約62%、187件)に関する表示。中でも多かったのは、体験談の中でこれに触れるもので約6割(179件)に上った。

 具体的には、「愛用者から『肌がプルプルになった』『ハリが出た』などの声が続々と寄せられています」(オールインワン化粧品)といった表現があった(『』部分がとくに問題視された点)。

 体験談以外でも「赤ちゃんや敏感肌の人にも『安全な』成分を使用」(化粧水)と安全性を保証するような表現、「『細胞再生』という新しいエイジングケア」(美容液)、「『大きなシミ』に悩む妻が日常的に使用、『確かに薄くなってきました』」(乳液・クリーム)など化粧品に認められた56項目の表現を逸脱したものがあった。

 商品別では、「美容液」が57件で最も多く、「セット商品」(52件)、「化粧水」(同)、「オールインワン」(38件)、「クリーム・乳液」(37件)と続いた。

 結果を受けて粧工連は、10月12日付で加盟する約1200社に「化粧品業界に対する消費者の信頼性を損ないかねない問題」としてネット広告の適正化に向けた表示の再確認を文書で要請した。また、厚生労働省の所管部署に報告したほか、日本通信販売協会など関連4団体にも適正化に向けた要請を行った。

 2団体は10月13日から11月17日にかけて全国主要5都市(東京、大阪、福岡、名古屋、札幌)で広告主や媒体社、広告代理店などを対象にした「化粧品に関する広告・表示セミナー」を行う。ネット広告の化粧品広告基準に関する啓発を図る。

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