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トクホ 「新たな知見」報告義務化、年1回は関与成分の分析も

2017年 3月24日 17:19

061.jpg 日本サプリメントのトクホ問題を受け、消費者庁が特定保健用食品(トクホ)の運用を見直す。企業に「新たな知見」を得た際の報告義務を課すほか、定期的な関与成分の分析も求める。3月17日付で、トクホの許可申請に関する内閣府令、次長通知を一部改正した。同月21日の消費者委員会で消費者庁が報告。消費者委は「建議の取り組みが前進したことを高く評価したい」(河上正二委員長)とコメントした。

 「新たな知見」が生じた場合、30日以内に消費者庁に報告することを求める。これまでも安全性や有効性に関する知見の報告は求めていたが、義務化されていなかった。

 報告を求める範囲も「特定保健用食品の表示許可等について」(次長通知)に明記した。安全性や有効性に加え、新たに「相互作用」「品質管理」に関する知見も加えた(=表)。消費者庁は、報告を受けて再審査の是非を検討する体制も整える。

 関与成分の定期的な分析結果の報告も義務化する。少なくとも1年に1回は第三者機関で許可試験と同等の試験を行い、結果の報告を求める。過去1年間の販売実績も報告させる。

 昨年9月、企業に依頼したトクホの調査では約1300の許可品目のうち、市場に流通するトクホが366品目、失効予定品目が196品目(1件はのちに販売を継続に変更)だった。同年11月に失効届の提出を依頼。すでに191品目がこれに応じている。販売実績も報告させることで、長期間売られていない商品は販売の意向を事業者に確認、トクホの実態把握につなげる。

買上調査、35品目継続的に実施へ

 トクホの「買上調査」も実施していく。日本サプリメントのトクホ問題を受け、来年度に行う予定だった買上調査は今年度に前倒して実施。現在、成分分析の時期が古いものや、自社で分析したものを中心に7品目の関与成分量の分析試験を第三者機関に依頼している。

 来年度はその対象を販売数の約1割に拡大。無作為に35品目ほど選び分析する。18年度以降も買上調査は続ける。

 結果の公表方法は今後詰める。関与成分量が規定値に満たないなど不適切な商品があった場合は調査を行い、場合によって行政処分で対応する。健康増進法に基づく許可取り消しや虚偽誇大広告の禁止、景品表示法の優良誤認にあたる可能性がある。

 来年度に、トクホに関する情報公開の範囲を検討するための調査事業も行う。現在、国立健康・栄養研究所のデータベースで一部公開されているが、分かりにくさが課題。調査事業を通じて消費者ニーズを把握。「消費者向け」「専門家向け」の公開情報、事業者に求める公開基準を検証する。調査事業を受け、18年度に情報公開の基準を定め、次長通知の再改正を予定している。

 府令と通知改正を受け、トクホの許可に関する質疑応答集も「新たな知見に関する報告」「定期的な報告」に関する部分を加えた。

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