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ファンケル  研究ギャラリーをオープン、企業姿勢や技術力体験の場に

2017年 4月27日 09:50

 4-1.jpgファンケルが研究開発型企業として企業姿勢を打ち出す取り組みを強化している。昨年から今年にかけて、自社工場や研究所における取り組みを積極的に公開。4月25日には旗艦店の「ファンケル銀座スクエア」の一部フロアを「研究技術ギャラリー」としてリニューアルした。研究成果や技術力を公開して顧客の理解を深め、製品に対する信頼感を高めていく。

 フロア(5階)は2013年10月、総合研究所による技術体験型の「未来肌研究室」としてオープン。独自技術による肌カウンセリングサービスを提供し、3年半でのべ1万9000人が来客していた。サービスは維持しつつ、よりさまざまな体験を通じて技術力や成果を実際に見たり、体験できる場に変えた。

 研究技術ギャラリーは、「ビューティ」「ヘルス」「イノベーション」という3つのカテゴリーで構成。各ゾーンに展示と体験コーナーを設けている。

 ビューティゾーンでは、無添加乳液の乳化技術や独自の密閉容器の設計技術を展示。これら乳化や密閉容器の開封を実際に体験したり、肌のセルフチェックを行えるコーナーを充実させている。ヘルスゾーンでは、体内効率の考え方や臨床データを展示。実際に研究所で使われている機器を持ち込み、錠剤の崩壊性を分かりやすく理解できるようにした。脂肪代謝レベルをセルフチェックできる機器も導入している。イノベーションゾーンでは、香りと記憶力の関係など脳科学研究の成果を紹介。将来的な製品、サービスの開発につながる技術を積極的に公開していく。

 8階にある「予防医療ミュージアム」も改装した。これまでは動脈硬化や脳老化に関するものなど展示コーナーが中心だった。だが、姿勢バランスチェック、握力測定など体験コーナーの人気が高く、月平均1500人の来客があった。これを受け、動体視力の測定機器など体験コーナーを充実させた。

 リニューアルは、自社研究所の研究員自らの手で行った。研究員を常駐させ、研究員自ら説明したり、最新技術をタイムリーに発信していくことで期待感も醸成していく。研究員が直接、顧客と対話することで要望や意見を吸い上げ、基礎研究や製品開発にも活かす。毎週、顧客向けのセミナーも行い双方向のコミュニケーションスペースにする。

 4-2.jpgオープンにあたり池森賢二会長(=㊨写真)は、「これまでは(製品開発に向けた)こだわりをうまく伝えられていなかった。研究の真剣さと、まじめに取り組む姿勢を感じてほしい」と語っ
た。

 ファンケルでは昨年から今年にかけて、企業姿勢を打ち出す取り組みを強化している。昨年10月には、千葉の主力工場を化粧品とサプリメントの複合型工場に改築。多くの製品の製造を見ることができる「魅せる工場」としてファンづくりを進めている。今年4月には企業姿勢を示すスタンスメッセージ「正直品質。」をテーマに「モノづくり」に対する思いを伝えるテレビCMの放映も始めた。

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