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千趣会の化粧品子会社が始動、名水が生んだコスメを訴求

2017年 9月 7日 10:15

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千趣会は、7月1日付で全株式を取得した化粧品製造・販売会社のニッスイファルマ・コスメティックスについて、9月1日付で「株式会社ユイット・ラボラトリーズ」に商号変更し、コスメ事業の強化に本腰を入れる。

 千趣会は多角化戦略の一環として女性を対象にした新規ビジネスの開発を進めており、とくにビューティー&ヘルスを注力分野のひとつとして拡大構築を模索。日水製薬から化粧品子会社を買収することで、加速度的にビジネス規模の拡大を図ることになった。

 ユイット・ラボラトリーズは、八ヶ岳に自前の工場と研究所を持ち、自社内で化粧品の調合をテストできるのが強みだ。加えて、工場の敷地内に取水場があり、ミネラル分を含む天然水を地下3000メートルから汲み上げて製品のベースに使用している。

 現状、八ヶ岳の名水が生んだ自然派スキンケア化粧品「リスブラン」と、深海魚のオレンジラフィーから抽出した油を配合したスキンケアブランド「オレンジラフィーシリーズ」などを展開している。

 40年の歴史がある主力ブランド「リスブラン」は、消費者への直販はせず、漢方薬局への卸がメインでカウンセリング販売の商品として展開してきたため、ブランドの認知度こそ低いものの、敏感肌の人や、アトピーなど肌トラブルを抱える人に根強い人気があり、リピーターが多いという。

 同ブランドは、今後も薬局・薬店を中心としたカウンセリング販売をベースに伸ばしていく。また、ウェブサイトを整備して情報発信や認知拡大施策にも着手し、肌にトラブルを抱える人が情報を得やすくして、薬局・薬店に来店しやすい環境を作る。

 昨年9月に立ち上げた「オレンジラフィーシリーズ」はこれまで、先行販売の形で東急ハンズの店頭とECで展開してきた。国内ではオレンジラフィーのオイルを使ったコスメが少ないことや、肌への刺激が少なく、浸透力が高いオレンジラフィーの特徴を前面に出して差別化を図る考えで、10月をメドに千趣会の通販サイト「ベルメゾンネット」で販売を開始し、グループの他の売り場も活用したい意向だ。

 ユイット・ラボラトリーズは、まずは既存商材のブランディング強化や販路拡大に乗り出すことで、現状の売上高約10億円に対し、早期に20億円を目指す。

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 加えて、千趣会がアプローチを再強化する30~40代の子育て世代や敏感肌の女性を主要ターゲットに、通販チャネルを主軸としたソリューション型の化粧品ブランドを来春以降に立ち上げる計画で、新ブランドの専用サイトを開設し、定期購入顧客を開拓する。急拡大する敏感肌用コスメ市場において、「商品の質、中身を最重視し、パッケージもこれまで以上にデザイン性を高めることで、柱商材のひとつとしていく」(鈴木弘之ユイット・ラボラトリーズ社長=顔写真)とする。

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