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消費者庁 健食の表示規制強化へ、相次ぐ新たな「違反認定」の手法

2017年10月12日 13:22

 機能性表示食品制度の導入以降、「いわゆる健康食品」の表示規制が厳しくなっている。消費者庁はこれまでにない「違反認定」の手法で、アイケア、食事置き換えによるダイエット食品に対する行政処分を実施。制度の開始で機能性表示の範囲が広がる一方、今後も健食に対する監視が進みそうだ。
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 今年3月、消費者庁はアイケア関連の健食に初めて景品表示法に基づく措置命令を下した。健食通販を行うだいにち堂が販売していたもの。読み物をしている中高年男性の写真とともに「読書に集中できない」「スッキリ・クリアな毎日を実感」などと表示していた。

 業界関係者からは「これがダメなら全部ダメ」「踏み込んだ表現に思えない」など同情の声もあったが、消費者庁は複数の表示からくる"全体印象"から「あたかも目の症状を改善する効果が得られるかのような表示」として処分を下した。

 処分に至らないものの、水面下では関節ケアに対する指導も行っている。階段を上り下りする高齢女性の写真とともに、「きしみが聞こえない」「軟骨成分などを補充」といった表示に対し「あたかも関節の曲げ伸ばしによって生じる身体の痛みが緩和・解消されるかのような表示」と指摘した。

 新制度の活用が進む反面、「いわゆる健食」で目や関節、脳機能など新制度で可能な範囲の表示を行う場合は、より注意が必要といえる。

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 消費者庁がこれまで重点的に監視してきたダイエット食品に対する最近の処分事例でも、消費者庁による新たな「違反認定」の手法が明らかになっている。9月末、健康茶の通販を行うティーライフの健康茶に対する措置命令がそれだ。

 ダイエット食品は、その訴求ポイントから「燃焼系」「(体外への)排出系」「ファスティング系(食事置き換え)」に分かれる。

 過去、ダイエット食品の処分事例はいずれも「燃焼系」か「排出系」。「違反認定」もすべて「特段の運動や食事制限することなく痩せるかのような表示」だ。

 一方、食事制限によって痩せる「ファスティング系」は、「○カ月で○キロ」といった表示の事実が証明しやすく、処分対象になりにくい。今回、処分対象になったお茶も利尿作用による体重減の作用が期待できるもの。ヒトを対象に試験を行えば、一定の変化が確認できる。ティーライフもヒト対象試験のデータは持っていた。

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 ではなぜ処分に至ったか。推測になるが、違反認定の決め手は「食事制限」だけでなく、お茶の成分によるダイエット効果にまで踏み込んで表示していたことだろう。

 「2大有用成分がラクラクダイエットを応援」などと表示していたが、痩せた事実は試験データで証明できても、処分では「成分」と「機能(体重減少)」の関係を示す根拠を認めていない。

 「違反認定」の文言もこれまでにない「食生活における飲料を対象商品に置き換えることで、商品に含まれる成分による痩身効果の"促進作用"が容易に得られるかのような表示」というもの。「特段の運動や食事制限」に言及することなく、処分を行っている。

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