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千趣会 EC軸にフォーマルを強化へ、初めてママの入卒式需要に、情報とセットで商品提案

2017年12月14日 09:48

 千趣会は、フォーマルウエアのカテゴリーを強化する。来年1月からスタートする新中期経営計画では利益体質を目指して不振のファッションジャンルを縮小する計画だが、フォーマルウエアは大きいサイズの衣料とともに専門店化して拡大成長を図る。

 千趣会によると、入卒式などで着用するカラーフォーマルの市場は一定の規模を維持しながらも、販売チャネルは百貨店からショッピングセンター、ECへと伸長率の高い売り場が移ってきているようだ。フォーマルウエアは情報量の多い商材だが、ECチャネルでは豊富な画像と文字で訴求できるほか、商品レビューも参考にできるのが強みで、通販適正の高いカテゴリーという。

 同社ベルメゾン会員は第一子が入卒のタイミングを迎える30~40代のママ世代がメインで、アンケート調査では幼稚園・保育園から中学校の入学式まではさまざまな式に参加する母親が多いため、何度も入卒式などを経験する"先輩ママ"には新しい商品の買い替えを、入卒式未経験の"初めてママ"には情報とセットで商品を薦めるなど、提案力が生きる商材のようだ。

 同社は2013年からカラーフォーマルの事業展開を本格化した。フォーマル専門のカタログを発刊し、オリジナル開発商品を中心に、東京ソワールなど百貨店ブランドの取り扱いも拡充。ECの特性を生かし、年間を通じて販売できる品ぞろえを強化した結果、今年度(17年12月期)のカラーフォーマルのEC売上高は1~11月までに過去最高の3億2000万円となり、通期では3億4000万円程度を見込んでいるのに加え、18年度はさらに前年比30%増を計画する。

 千趣会のEC化率は70%程度だが、フォーマルは11年の47%から17年度は79%と大きく伸びており、同社が扱うさまざまなカテゴリーの中でも上位の比率だ。そのため、今後は「ネット重視で戦い、在庫も積んで売り逃しを防ぐ」(大嶋恒徳レディース衣料販売チームマネージャー)とし、ネット広告の出稿やSEO対策も含めてウェブ上の競争力強化に努める。

 商品面では今回、市場動向や過去の販売実績、レビューに加え、同社先輩ママ社員の声をもとに商品を開発。11月27日には来春の入卒式シーズンに先駆けて通販サイト「ベルメゾンネット」でフォーマルウエアの先行販売を始めた。

 中でも、きちんとした着こなしをしたい、入卒式以外でも着用したい、なるべく安く購入したいといった顧客ニーズを叶える「最強7点セットスーツ」(画像=税込2万5900円~2万7900円)が一押しで、ネイビーのテーラードジャケットとツイードのノーカラージャケット、セットアップ風ネイビーワンピース、ビジューが取り外し可能なブラウス、ネイビーのタックスカート、コサージュとパンプスクリップという充実したセット内容に加え、7号から27号までという11サイズ展開も強みだ。

 また、同商品以外にも、着心地を追求して腕の周りにほどよくゆとりを持たせたベルメゾン独自の"腕はり"パターンを採用した4点セットスーツやパンツスタイル5点セットスーツなどバラエティー豊かなフォーマルウエアを展開する。

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