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大正製薬、ダイエット補助食品や化粧品テコ入れ

2010年 5月27日 12:14

 大正製薬は、通販で展開するダイエット補助食品や基礎化粧品など既存商品のテコ入れに取り組んでいる。同社の通販事業は、売り上げの約6割を占める「大正グルコサミン」が基幹商材となっているが、底堅いニーズが見込めるダイエット補助食品と基礎化粧品を中心に訴求方法や販売手法を見直し。「グルコサミン」に次ぐ第二の柱に育成し、通販事業全体の拡大につなげる考えだ。
ドリンクタイプのダイエット補助食品「からだ環境ダイエット バランス食」では、昨年12月から14食入りの通常商品(通常税込価格1万2600円)に加え、3食分から購入できる新コースを設けた。

 同商品は、中高年層をターゲットに黒ゴマや抹茶など和風味をラインアップしたのが特徴。サニーヘルスの「マイクロダイエット」を下回る売価設定とすることで、利用の拡大を図る考えだったが、類似した低価格商品の乱立、昨今の価格志向の強まりなどもあり、実購入につながりにくい状況だった。

 3食分の新コースは、この打開策として導入したもので、税込価格2520円とし、好みの味を選べるようにしたことなどが奏効。既存顧客がトライアルで商品を購入するケースがあるなど、ダイエット補助食品を下支えする施策として機能しつつあるという。

 また、高齢者向けにダイエットとは異なる切り口の商品訴求も行っている。高齢者世帯の場合、火を使うのが怖い、買物で外出するのが大変など、食事に関連した悩みがあるが、同社では自宅にストックでき、火を使わずに食べられるという利便性を訴求。「新たな食事の提案として取り組んでいる」(同社)という。

 ドリンクタイプの商品が高齢者層の嗜好に合うかという問題もあるが、同社としては、和風味のアイテムを揃えるという商品の特長、高齢者層を主要顧客とする「グルコサミン」で獲得したリストを活かし、独自の商品展開を行っていく考えだ。

 一方、基礎化粧品等の「ナリッシュ」シリーズについても展開方法の見直しを推進。この一環として、2年ほど前にサンプル商品を試してもらい本商品の購入につなげるツーステップ方式から、ワンステップで本商品の購入に誘導する販売手法に切り替えている。

 これは実購入の促進を狙ったもので、一定の成果はあったようだが、この1、2年の有力メーカー各社の基礎化粧品通販参入で競争が激化。新規の獲得が難しくなっていることから、新たな商品訴求方法として顧客の声を活用していく考え。

 現在検討しているのは、既存顧客に商品サンプルを配布とあわせアンケート調査を行い、収集した顧客の声をネット上で公開するというもの。基礎化粧品については、「一度商品の良さを実感してもらえれば、ハードなリピーターになる」(同)という傾向があり、顧客の声を活かした取り組みで、固定客の獲得を図る。

 同社は、基幹商品の「グルコサミン」で獲得した顧客への他商品のクロスセルで、通販事業全体の拡大を図っていく考え。既存商品の展開手法の見直しを通じこの戦略を促進するとともに、新たな柱となる商品の確立を目指す。
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