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「航空系」通販、捲土重来への一手①、JALUX 主婦の友Dと連携強化、独自商品で差別化図る

2010年 6月 3日 10:58

長引く不況に加え、原油価格の高騰や新型インフルエンザの流行などで搭乗客数が減少し、苦戦が続く航空系通販。JALUX、全日空商事の2010年3月期の業績はともに減収。中でも新規獲得ツールである機内誌の落ち込みが大きく、規模を縮小せざるを得ない状況に追い込まれている。こうした状況をかんがみ、両社は今期、それぞれ強みを活かした"新戦略"に着手。新たな層を獲得すべく、積極的な施策に打って出る。果たして苦境をどう脱するのか両社の戦略を追った。

JALUXの通販事業の3月期業績は、売上高が前期比18.7%減と2桁の減収(前号に既報)。
 目立つのは紙媒体の苦戦だ。媒体別に見ると、機内誌の売上高は、ページ数の削減や搭乗客数減少の影響を受け、前期比28.7%減と大幅な減少。カタログ部門も食品カタログは横ばいだったものの、総合カタログは部数、ページ数、発行回数を削減。規模を縮小した結果、売上高は同16.5%減と落ち込んだ。

 こうした既存媒体の「縮小路線」は今期も継続。カタログは「大きな削減は考えていない」(三浦雅彦通販企画部長)が、発行回数は見直す方向で検討している。具体的には特選号や新春号などを削減するようで、回数を絞り1号あたりの収益性を高める考えだ。

 ただ、既存媒体の縮小はコスト削減には寄与するが、売り上げ拡大や新規客の獲得にはつながらない。通販事業の飛躍のためには"守り"一辺倒ではなく同時に"攻め"の戦略も必要になる。

 そこで同社が取り組む"攻め"の1つが、昨年子会社化した主婦の友ダイレクトとの「連携強化」だ。前期は媒体間での商品の相互掲載に終始したが、今期はより積極的に連携する。具体的には、主婦の友社、主婦の友ダイレクト、JALUXの「3社連携」で通販を実施。主婦の友社のシニア向け雑誌「ゆうゆう」誌上で、商品供給をJALUX、誌面の編集を主婦の友社、販売や編集部との調整、受注などを主婦の友ダイレクトが担当する形で、女性向けアパレルなどを販売する。

 JALUXは自社通販の顧客とほぼ同じ層がターゲットになるため、「商品面で強みが活かせる」と判断。既に4、6月号で開始しているが実際「良い反応があった」(同)という。今後は商品が充実する秋、冬に積極展開する意向で、有望な「売り場」として育てていきたい考えだ。

 また、こうした「シニア向け通販」計画の一環として、主婦の友ダイレクトと共同での独自商品の開発も検討する。詳細は未定だが、健康器具やサプリ、アパレルなどが有力な候補。利益率の高い独自商品の拡充は今期の重要課題の一つでもあり、前期より5~10%ほど拡充する意向を示している。また、前述のシニア商材のほか、「航空系」の強みが活きる「トラベルファッション商品」分野を充実させる考えで、商品次第では他媒体での露出も検討していく構想。「他社にないもの」を追求し巻き返しを図る。   (つづく)




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