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KC's 「葛の花」16社に申入れ、返金状況の定期報告求める

2018年 3月15日 09:48

 特定適格消費者団体(以下、特定適格)の消費者支援機構関西(=KC's)は3月5日、「葛の花由来イソフラボン」を含む機能性表示食品(葛の花)で一斉処分を受けた16社に対する申し入れを行った。顧客に返金を求めることができることを通知することを求めたほか、返金の実施状況に関する定期的な報告を求めた。

 KC'sは昨年12月、「葛の花」の広告表示について、景品表示法に基づく措置命令を受けた16社を対象に、今年1月下旬を回答期限に返金状況を確認する「問い合わせ」を行っていた。

 特定適格は、国に特別に認められた消費者団体。多数の財産的被害を確認した場合、被害者に代わり事業者に損害賠償の義務があることの確認を求めて提訴できる権限を持つ。処分企業の売上総額は課徴金納付を命じられた9社だけで約36億円(本紙推計)に上っているとみられる。「問い合わせ」も損害賠償請求訴訟を視野に入れたものとみられていた。

 今回、KC'sは企業側の回答を踏まえ、措置命令の対象となった表示により対象商品を購入した消費者に返金を求めることができる旨の通知と、消費者からの返金申し出に応じることを求めた。返金に際しては消費者の負担が少ない返金方法を提供することも求めた。また、KC'sに対し、返金の実施状況について定期的に報告することも求めている。

 現段階でKC'sは、「問い合わせ」内容の詳細については公開していない。ただ、企業側に送付された文書によると、景表法の「優良誤認」で違法認定された広告表示について、消費者契約法上の「重要事実の不実告知」にもあたると指摘していた。その上で、「葛の花」に表示のような痩身効果があると認識しているか企業の見解を求め、消費者への処分内容の通知の有無や通知方法を尋ねていた。

 消契法上、広告が「勧誘」とみなされ、「不実告知」に該当した場合、消費者は契約の取り消し(返金)が行える。過去には折込チラシが「消契法上の『勧誘』にあたりうる」との判例もあり、これを見据え消費者への返金予定も尋ねていた。

 特定適格の認定を受けるのは、KC'sを含め全国で2つの消費者団体のみ。適格消費者団体が、景表法や消契法等に基づく「差止請求権」の行使にとどまるのに対し、損害賠償も行える。

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