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トライステージ子会社のJMLS ジェトロと組み日本商材募集、シンガポールでTV通販

2018年 6月14日 09:59

 「返品リスクなく、面倒な手続きもなしで、シンガポールで商品を販売してみませんか」。通販支援事業を行うトライステージの子会社でシンガポールのテレビ通販大手、JMLシンガポール(JMLS)は日本貿易振興機構(ジェトロ)と連携して、優れた商品を持つ日本のベンダーやメーカーを対象に、商品を募集する取り組みを開始した。

 ジェトロが今春に立ち上げた主にアジア地域で展開する現地の有力通販事業者らと組んで日本企業の商品の輸出を促進し、海外での拡販を支援するプロジェクト「JAPAN MALL事業」の一環として実施するもので、日本企業は委託販売ではなく、現地事業者の「買取り」による商品供給という極力、リスクのない形でそれぞれの現地でテスト販売ができる試みだ。

 ジェトロではシンガポールでの「JAPAN MALL事業」ではシンガポールで最大シェアの地上波テレビ局「メディアコープ」で毎日、昼帯に帯枠などを持ち、通販番組を展開する同国最大のテレビ通販事業者でかつ通販サイトや自社の直営店、さらに商品の卸事業も行い、現地の大手のGMSやドラッグストアなど有力小売店に専用棚を有するなど一大販売網を構築しているJMLSをパートナーとして選定した。JMLSとしても日本の優れた商品を取扱商品のラインアップに加えたいことや優良な日本のメーカーやベンダーとの新規取引につながることなどを期待し参画を決めたという。

 JMLSでは今冬からのシンガポールでの販売開始に向けて食品以外(※食品は現地のEC事業者の「レッドマート」が別途募集)のジャンルで商材を広く募集する。同社によると、シンガポールのテレビ通販では現状、掃除機やアイロン、掃除用モップ、カビ取り剤などの生活家電や掃除用品などが売れ筋。また、健康食品を含めた美容・健康関連商品なども人気があるようだ。なお、シンガポールでは国民性や家賃の高さなどから単身者は少ないことなどから、単身者用の小さなサイズの調理器具や家電などはあまりニーズはないようだ。また、美容健康食品については日本の場合、"良薬は口に苦し"で味については多少、苦みがあるようなものも少なくないがシンガポールでは基本、「甘くないと売れない」(同社)という。7月12日まで商材の募集を受け付け、1次選考、2次選考を経て、9月下旬までに仮決定を行い、最終的には20~30品程度を採用したい考だ。

 採用が決まった場合、委託販売ではなく、すべてJMLSによる買取販売となる。商品の納入も現地ではなく、JMLS指定の日本国内の倉庫に収める形とした。また、契約書もJMLSが日本語で作成する。「海外に進出したい日本企業は多いと思うが、返品のリスクのほか、輸出の手続きに不慣れだったり、言語の問題などもあり二の足を踏んでしまうこともあると思う。今回は我々が買取販売を行い、トライステージという日本の会社の子会社として日本語ですべて対応するため、非常にやりやすいのではないか。この機会を活かしてぜひ日本の優れた商品を我々が一緒になってシンガポールで販売したい」(JMLSの緒方健介会長)という。

 採用された商品は12月から番組出演者による掛け合いで商品の特徴などを紹介していくライブショー形式によるテレビショッピングで毎月5~8商品程度、「JML×JAPAN MALL」の商品として販売をスタートさせる予定。同時に連動する通販サイトや7月中に新設する新店舗を含めて3つの直営店での取り扱い、また、大手スーパーマーケットの「ジャイアント」や「フェアプライス」、ドラッグストアチェーンの「ワトソン」「ガーディアン」、百貨店の「OG」といった卸売を行う大手有店舗小売業者を通じた合計400店舗での販売も同時に展開していく。来年3月までで一旦、同プロジェクトは終了するが今回の結果を踏まえ、JMLSでは売れ行きが好調な商品に関しては継続的に販売していく考え。

 なお、JMLSでは今回の商品募集にあわせて日本のメーカーなどを対象に事前説明会を開催する。大阪では6月18日に「ジェトロ大阪支部」(大阪市中央区)で午後2~3時、東京では同19日に「ジェトロ本部」(東京都港区)で午前10~11時に実施する予定。説明会参加にはジェトロのウェブサイトでの申込(大阪会場は6月15日、東京会場は同18日の午後3時締切)が必要となる。

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