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ヤフー「Pay Pay」 新スマホ決済開始へ、印Paytmの技術活用

2018年 8月 2日 09:46

PayPay.png 「モバイルペイメントサービスは日本において突出して成功している会社はない。実は世界でも数社程度。そのうちの1社の技術、ノウハウを利用して国内ナンバーワンになる。もう1つヤフーを作るという覚悟で取り組んでいく」。ヤフーは今秋をメドに、グループ会社を介してQRコードやバーコードを使った店舗決済用の新たなスマートフォン決済サービス「PayPay」をスタートする。

 「PayPay」専用スマホアプリやヤフーの「Yahoo!JAPANアプリ」を起動させて利用する仕組みで、スマホ画面に表示したバーコードを店側が店舗端末やレジで読み取る「店舗読み取り方式」と店側がレジ付近などに掲示したQRコードを利用者がアプリで読み取る「ユーザー読み取り方式」の2つの手段を提供する。決済は利用者が設定したクレジットカードやヤフーが展開するオンライン決済サービス「Yahoo!ウォレット」のアカウントにひも付けたクレジットカード、または「PayPay」の独自電子マネーで支払う仕組み。今後はヤフーの電子マネー「Yahoo!マネー」も対応させる模様。

 「PayPay」の決済サービスはソフトバンクとヤフーが折半出資で6月15日に新設したPay(※7月24日付でPayPayに商号変更)が、ソフトバンクグループのファンド「ソフトバンク・ビジョン・ファンド」が出資するインドのモバイル決済会社のPaytm(ペイティーエム)から技術やノウハウの提供を受けて展開する。

 ヤフーでは今期から伸びしろの多いリアルでの決済事業に本格参入する意向を示しており、当初はこれまで展開してきた「Yahoo!ウォレット」のサービスを拡張する形で独自サービスとして進めていくとし、実際に加盟店獲得などに動き始めていたが「(スマホ決済サービスは)ノウハウが一番大事。日々、ABテストを繰り返しながらどんどんユーザーエクスペリエンスを改善していくことが重要で、この積み重ねが圧倒的な力の差を生むため、先行しているPaytmのノウハウを活用する形で事業を行おうと決断した」(川邊社長=写真)とし、自前でのサービスにこだわるよりも、インドですでに3億人の利用者と800万店の加盟店を抱え、日々、改善が繰り返された技術や蓄積されたノウハウをもとに開発するサービスでの展開に切り替えることにしたという。なお、展開中の「Yahoo!ウォレット」のスマホ決済サービスは時期は明らかにしていないが、終了させる予定。

 「PayPay」は今後、ソフトバンクの営業網を活用して、同決済サービスに対応する小売店舗などの加盟店を増やしていくほか、「ユーザー読み取り方式」の場合、加盟店の決済手数料を3年間、徴収しないようにし、対応店舗拡大を促していく。

 なお、ヤフーがすでに展開を始めていた「Yahoo!ウォレット」のスマホ決済サービスで家電量販店やドラックストアなどが加盟店となっており、今後も今夏から秋にかけて、居酒屋チェーンのモンテローザやドラックストア運営のウエルシアホールディングスなどが参画する予定としていたが、これらの店舗は「PayPay」を導入するか、一定期間、「Yahoo!ウォレット」のスマホ決済サービスと並行して導入する模様だ。

 QRコードを活用したスマホ決済サービスはLINEも拡大に本腰を入れており、加盟店100万店の獲得を掲げ、8月から手数料を3年間徴収しない試みを開始する計画など複数社がシェア争いを本格化させている。今後も同決済サービスを巡って争いは激しさを増していきそうだ。

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