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ケフィアの巨額被害事件 鏑木武弥氏が自殺か、弁護団「今後も活動」と声明

2019年 2月21日 16:40

 警視庁が出資法違反容疑で捜査するケフィア事業振興会の元社長、鏑木秀彌氏の長男、武弥氏が2月13日、都内の自宅マンションで亡くなっているのが見つかったという。自殺とみられるが、同社による巨額被害事件の真相を知る人物の一人。実態解明の動きが懸念される。一連の報道に、同社の元社員は、「鏑木親子が全部やったかのように報道されているが、実際の金集めの仕組みを考えたのは周辺幹部」と話している。自殺を受け、ケフィアグループ被害弁護団は「今後も関係各所と連携して活動する」と声明を公表している。

 武弥氏は、ケフィアの関連会社であるかぶちゃん農園の代表を務め、市田柿等の製造、通販を行っていた。ただ、前出社員によると、「『オーナー制度』の仕組みを考えた周辺幹部との折り合いは悪かった」という。

 ケフィアは、「オーナー制度」と呼ぶ買戻し特約付の売買契約で、干し柿等の商品のオーナーを募集していたが、「味をしめたのは2010年頃、新社屋建設をめぐる資金集めが成功した時。当初2、3%の利子だったが、武弥氏が(長野で太陽光発電等の拠点建設など)事業拡大を進めるのに合わせ、利子も5から6%と増え、償還期間も1年から半年と短くなっていった」(前出社員)という。ただ、「周辺幹部は次から次へと金をつぎ込む武弥氏に辟易していた」(同)とする。

 同時期に同様の被害で経営が破たんしたジャパンライフが行政や警察OBを迎え、政治にも強力なパイプを持っていたことに比べるとずさんな経営が目立つ。「自分のようなヒラの社員も破たんを予見していたが、最後は鏑木親子の責任になれば良い、と決算で余った億単位の金を幹部で山分けしていた」(同)というが、真相は解明されるか。
 被害は約3万人、被害総額は1000億円を超えるとされる。弁護団も報道を受け、「武弥氏が本件の真相を公には何も語らず亡くなったことは遺憾の極み。これにより責任追及の動きが鈍ることは、将来の同種事件の被害を防止する観点からも禍根を残す。今後も関係各所を連携して活動していく」との声明を公表している。
 
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