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薬機法の課徴金 「未承認薬」対象外も、統計不正紛糾で時間切れか

2019年 3月 8日 14:40

 薬機法の課徴金制度から、健康食品も対象になり得る「未承認医薬品の広告の禁止(第68条)」が外れる可能性がでてきた。統計不正問題で国会が紛糾する中、改正案の円滑な成立を急ぐ動きがあるためだ。優先度の低い「未承認薬―」を対象外にしつつ、まずは「虚偽・誇大広告(第66条)」のみを対象に、”課徴金制度”を薬機法に取り込むことを目指す可能性がある。

 自民党の「厚生労働部会・薬事に関する小委員会合同会議」は2月27日、薬機法改正案を審議。関係者によると、課徴金の算定率は4・5%とする方針が示された。また、課徴金額が225万円に満たない場合、納付を命じないほか、66条違反を自ら国に報告した場合は、課徴金額を50%減額する方針も示されたとみられる。

 納付命令の権限は当初、国と地方自治体の双方に付与する方針だったが、景表法と同様、国に一本化するとみられる。「国が示す基準に沿って自治体が課徴金相当の事案を報告する形をとる」(行政関係者)という。

 一方、課徴金の対象から68条違反が「対象外」になると伝える一部報道がある。68条違反は、いわば販売自体が違反。売上全額に違法性があり、一部を徴収する制度の趣旨にそぐわないためだ。ただ、「これは表向きの判断理由」(前出関係者)との見方がある。

 改正では、医薬等の早期承認制度など、いくつか重要なポイントがある。それに比べれば「未承認薬―」の対象化の是非は、いわば”端”の議論。「優先度は低い」(同)。

 加えて、個人輸入の規制の見直しをめぐる国と地方の綱引きも影響する。今改正では、大麻取締法など薬物関連六法に限定されていた麻薬取締官(地方は麻薬取締員)の捜査権限を、未承認医薬品や偽造薬にまで拡大する方針がある。ただ、これに「行政と司法の役割分担が複雑になる」(自治体関係者)と地方自治体がこぞって反発。調整が急務になっている。

 改正を急ぐ理由はほかにもある。国会は統計不正問題をめぐり連日、厳しい追及が続く。そうなると、当初、通常国会を予定していた改正案提出が秋の臨時国会にズレ込む可能性もある。今春には統一地方選も控え、「厚労省としては廃案となるのは避けたい」(同)。時間的制約がある中で「66条違反を対象に、まずは課徴金制度をスムーズに法案に取り込む狙いがあるのでは」(同)という。

 別の関係者も「ディオバン事件を背景にした業許可事業者の不正利得はく奪は納得感がある。ただ、延長戦上で無許可事業者への規制強化まで、となると議論が混乱する可能性がある」と話す。

 「未承認薬―」が対象から外れれば、改正が健食業界に与える影響は小さくなる。ただ、関係者からは「68条の指導で終わる多くの製品は、広告を止めれば単なる健食として売り続けることができる。消費者に違反の事実も伝わらず、暴利をむさぼる広告違反は絶えない」との声が上がる。

 自民党は「まだ(対象含め)改正案は了承に至っていない」とする。製薬業界の盛り上がりの影で対象外になれば、胸をなでおろす事業者もいるだろうが、健食業界の健全化もまた遅れることになる。

 
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