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U-NEXTマーケティング 電話の声に自動で回答、コールセンターの省人化に期待

2019年 6月20日 15:00

 コールセンター事業などを手がけるU‐NEXTマーケティングでは電話を通じた自動応答システム「AIコンシェルジュ」を提供している。テキスト情報をAIで読み取るチャットボットとは異なり、電話の声を認識して最適な回答を音声で返すことができる。コールセンターに寄せられる音声での問い合わせを自動化することで、現場の省人化が期待される。導入先によっては離脱率の改善や受注率向上にもつながっているようだ。

 AIコンシェルジュは、電話の問い合わせに対して音声認識技術を活用していったん文字に変換。自然言語処理という技術を使いAIが問い合わせに対する適切な答えを文字で導き出し、音声合成という技術を使って回答を行って電話越しに音で返答する(=画像はシステムのイメージ)。

 昨今利用が進むチャットボットの場合は、ユーザーが入力したテキストをAIで分析して回答する仕組みだが、AIコンシェルジュはユーザーが電話口から自身の声で伝えることができるのが特徴だ。

 そのためスマホやパソコンを持っていないような高齢の顧客層を抱える企業や、コールセンターの呼量が多い現場などで効果を発揮するとみられる。

 AIコンシェルジュは電話での発話に対して音声で自動応答するだけでなく、SMS(ショートメッセージサービス)経由で通知することもできる。例えばSMSで該当するFAQページのURLを貼ることで、ユーザーは必要な情報を閲覧できる。これにより顧客の自己解決率を高めていくのが目指す形だ。

 料金は初期費用の目安が400万円程度で、月額50万円(4回線に対応)。これまでにガス会社や旅行関連サイトなど約10社に導入している。主に問い合わせの繁閑差が多い企業が利用しているようだ。

 4月からは生活協同組合コープこうべに導入。コープこうべでは従来ダイヤルプッシュ式で注文受付ができる自動音声注文を行ってきた。ただ、8桁の組合員番号、電話番号、商品番号とその個数をダイヤルプッシュする必要があったため、完結するまでに離脱するケースが多かった。同時に、有人対応の注文受付センターの呼量が減らないという課題もあったという。

 そこでAIコンシェルジュを16回線用意。注文以外に変更、キャンセル、確認といったメニューも追加した。ユーザーが必要な番号を声で伝えるとその音声を認識し、自動的に在庫状況を確認して欠品していなければ受注を行う。

 これまでAIコンシェルジュを2カ月運用したところ、離脱率は1・5倍改善、受注件数は1・3倍増加した。目標は受注件数を2倍に高めることだ。

 コープこうべでは注文受付窓口として、有人と自動対応の2つの電話番号を用意しているが、自動対応の使い勝手を高めて訴求することによって自動化を促進する狙い。

 自動対応は有人対応に比べて受付時間が長い。有人は朝8時から夜7時半までだが、自動対応は朝7時から深夜1時まで受け付けている。さらに有人対応の回線は混み合ってつながりにくいケースがあるため、そうなると自動対応のニーズも見込める。

 今後は自動対応窓口で注文したユーザーにクーポンやポイントなどのインセンティブを付与することで、有人から自動へのシフトを促すことも検討している。

 
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