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【ジャパネットサービスイノベーションの茨木社長に聞く ジャパネットグループの新事業の現状と今後㊦】 製販一体で差別化、ウォーターサーバー事業に手応え、“クレジットカード”も順調

2019年 6月27日 13:26

 ジャパネットグループのサービス系商材などの新規事業の企画・運営などを行うジャパネットサービスイノベーションの茨木社長に同社が手掛けるクルーズ旅行の状況を聞いた前回に引き続き、今回はウォーターサーバーやクレジットカードの発行など他事業の進捗などについて聞いた。

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 ――昨年1月のコウノウォーターの買収後、天然水の製造から専用ウォーターサーバーの配送・設置、メンテナンスなどすべて自社グループで一貫して手掛ける体制を整えて同年6月から本格販売を開始したウォーターサーバー事業の現状は。

 「加入者数は若干、計画には届いていないが、水事業で大切な指標であるお客様が購入される水のボトルの平均本数は3・5本で想定よりも非常によい。また、解約率もかなり低く、手ごたえを感じている。ウォーターサーバーの新規契約はショッピングモールの一角などにブースを設けてゲリラ的に値引販売を行うような手法で行われることも多いが、ジャパネットのウォーターサーバーは天然水のよさやサーバーの便利さなど、サービスの本質の部分を伝えることを主眼において丁寧に販売しており、そういった意味では新規契約者獲得のための営業トークとしては弱い。しかし、本当に水が欲しいと思われる方に販売しているため、購入されるボトルの本数が多かったり、解約率が低いというところにつながっていると思う。当社としても無理に契約者を増やそうという考えではなく、本当に水が欲しいと思われて契約を頂いたお客様と長く関係を保っていくことを優先したいと考えている」

 ――そもそもウォーターサーバー事業を自前で行おうとした理由は。

 「1つは以前から、他社のウォーターサーバーサービスを販売していて実績など手ごたえを感じていたこと。また、本格的に行うのであれば自分たちで自信を持ってやりたい、という想いがあったところ、コウノウォーターの(買収の)話も頂き、自前で行うことにした」

 ――競合サービスとの差別化の要素は。

 「まずは製販一体であるということだ。例えば関連法では水質検査では半年、または年に1度、特定の項目を検査すればよいということになっているが、我々は毎月、項目によっては毎日、検査を行っている。普通はそんなに多くの項目を検査する必要はないが、検査も100項目とある種、過剰に実施している。ウォーターサーバーのメンテナンスもきれいな状態を保ってもらうため、2年に一度はお客様のお宅に伺って消耗部品をすべて新品に取り換えている。他社の場合、ウォーターサーバーのメンテナンスはそこまではしないことが一般的だ。それは非常に費用がかかるためだ。我々も当然、費用はかかるわけだが、当社のグループ会社である(物流子会社の)ジャパネットロジスティクスサービスにはエアコンを取付設置する訪問部隊があるため、その閑散期を活用することで効率的にウォーターサーバーの安全を担保できる仕組みを作ろうとしている。そもそもなぜ我々が自分たちで水を本格販売するにあたって製販一体にしたのか、それは安全性の担保だ。水はお客様の体に入るものだ。我々としては絶対的に譲れない部分であり、ここにはかなり神経を使い、コストもかけている。製販一体にすることで自分たちで責任を持って取り組みたいことと、原資も一体となっている分、通常では実施しにくい点も可能になると思う」

 ――ウォーターサーバー事業の方向性は。

 「加入者を増やすことを優先するよりも今は”足固め”で品質面の向上などに取り組んでいきたい。例えば、現在、ボトルのサイズは1本8リットルだが、これは最終形ではないと思っていて、重さの問題などお客様により求められる、また、配送料の問題なども計算し、より最適なボトルのサイズを考えて、夏をメドに変更しようと考えているし、また、ウォーターサーバーのスペックなどについて、利便性などを分析し、改善を進めようとしている。また、来年中に新しい水の工場を建設する予定だ。我々は事業の選択と集中のために、我々が買収する以前に(コウノウォーターが)請け負っていた他社へのOEM供給をやめ、すべて自社販売用に切り替えた。また、買収前は実施していた2WAY方式(※飲み終わった空きボトルを回収し、容器を再利用するモデル)をやめて、1WAY方式(使い切り)に特化している。やはり、使い切りである1WAYの方が衛生的であり、また、当社のように全国のお客様に対して行うビジネススキームでは、基本的にエリアを限定して展開する2WAYは馴染みにくく、加えて、今後、加入者数が増えていった際に、製造可能なキャパシティや必要となる人材などを考え、早いタイミングで絞った方がよいという判断からだ。そのやめた2WAY用の工場の後に、最新の設備を整えた衛生環境もよく、より多くの製造が可能となる工場を建設して今後の規模拡大に備えていきたい」

 ――クレジットカード事業のセディナと提携して1月から本格展開を始めたジャパネットたかたの顧客向けに発行するクレジットカード「ジャパネットカード」もジャパネットサービスイノベーションが管轄する事業になる。発行の狙いは。

 「ジャパネットでクレジットカードを作ろうという話は03年くらいからあった。通信販売と決済手段のためのクレジットカードは切ってもきれない関係だし、ジャパネットはショッピングクレジット、いわゆる”分割払い”ができることが1つの売りなわけだが、ショッピングクレジットで分割払いをするためには審査のために毎回、お客様に契約書を書いて頂く必要があった。これはお客様にとっても我々にとっても負担になっていたため、それを解消したいという想いがあった。クレジットカードの発行というと一般的に金融事業やマーケティングにつなげたいという狙いもあるかと思うが当社の場合は本当にお客様の利便性向上とか、お客様との距離感を縮めたいという要素の方が狙いとしては強い。カードの特典についてもこのカードで決済した際、例えば大型家電などを購入した場合には、通常は約5000円程度、送料がかかってしまうこともあるがそうした送料を無料にした。また、ジャパネットたかたでの商品購入の際は36回分割払いまでの金利手数料を当社が負担することに加えて、このカードを使っての当社以外での買い物時についても、3回および5回払いを対象に、分割金利手数料相当分全額を独自ポイント『ジャパネットカードポイント』で還元するなどお買い物をする人が快適でお得になるということだけを考えた」

 ――3年後には100万人への発行を目標としているが状況は。

 「日本でも急激にキャッシュレス化が進んでいるが、ジャパネットのお客様はクレジットカードを持っていない方の比率が現状、非常に多い。カードを保有されないお客様の多くは『クレジットカード=借金』といった悪いイメージを持たれている方が少なからずいらっしゃる。こうしたイメージをジャパネットが丁寧にメリットなどをお伝えすることで、クレジットカードを手にして頂いて、キャッシュレス社会で一緒に楽しんで便利に買い物して頂けるという世界感を作っていきたい。現状では『ジャパネットカード』についてやみくもにPRしているわけでなく、基本的にはお客様が商品を購入された際に、コールセンターのコミュニケーターが薦めたり、商品同梱で告知チラシを入れたりしながら徐々に広げている。状況などを見ながら、今後、お客様へのPRを拡大していこうと思っているため、3年以内に100万件という数字は夢の数字でなく、現実的な目標値として実現していきたい。そしてその次のステップとして例えば特典を増やしたり、上位クラスのカードとして、ゴールドカードを発行したりなど、お客様の満足度を高める取り組みを進めていきたい」

 ――ジャパネットサービスイノベーションとしての今後の方向性は。

 「まず今の3つの事業を軌道に乗せることが優先だ。3事業とも『いける!』と感じている。あとは品質の増強が必要だ。それぞれの事業でキャリアを持った方を採用しながら現在は少人数で実行しているため、少しずつ人材採用や設備を強化して組織を大きくしながらサービスを拡充していきたい。この3つの事業を最優先で展開していくが、当然、新たなその次の事業も展開していきたいとは思っている」

 ――次の事業とは。

 「当社が取り扱うべきものの基本軸は『ジャパネットたかたが販売する意味のあるサービス』だ。他の会社でも提供できるようなサービスはわざわざ当社がやる必要はない。オリジナリティがあり、ジャパネットのお客様との親和性が高いという条件などをクリアしたもののなかで、やるべきものがあれば積極的にチャレンジしたい。まだ決めてはいないが、”次はこれかな”というものは頭の中にいくつかあり、1つ2つほど検討している」

 ――ジャパネットの新規サービスを担うという役割は責任重大だ。

 「もともと私はジャパネットたかたで家電のバイヤーを担当しており、『家電エコポイント』の影響などで爆発的に商品が売れた時もものすごく大変だったが、違った意味で今の方が大変かもしれない(笑)。今後もよいサービスを提供できるようがんばりたい」(おわり)


 
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