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独占禁止法 「対消費者取引」適用を明記、個人情報利用“やむを得ず同意”は違法

2019年 9月 5日 15:00

 公正取引委員会がモール運営事業者などデジタル・プラットフォーマーの「対消費者取引」における独占禁止法上の考え方を整理した。「優越的地位の乱用」について、消費者取引においても適用すると初めて明記した。独禁法上の違法判断は、個人情報保護法と異なる。プラットフォーマーによる「個人情報」の取扱いについては、保護法を所管する個人情報保護委員会とも情報共有や法執行で連携する。

 公取委は8月29日、「デジタル・プラットフォーマーと個人情報等を提供する消費者との取引における優越的地位の乱用に関する独禁法上の考え方」(案)を公表。独禁法上、個人情報の「不当な取得」にあたる4例と、「不当な利用」にあたる2例を行為類型として示した。

 「不当な取得」の例として示す「利用目的を知らせず個人情報を取得すること」は、利用目的の説明があいまいだったり、難解な専門用語による説明、容易に利用目的の説明文の記載箇所が認識できないような場合は、独禁法上、問題になる。保護法上も「利用目的を告げないこと」は問題になる。

 一方、保護法と異なるのは、取得や利用にあたり、優越的地位を利用して消費者に不利益を与えたかが判断されることだ。

 例えば「利用目的の達成に必要な範囲を超えて、消費者の意に反して取得すること」。目的を「商品の販売」としながら、販売に必要でない性別・職業等の情報を”同意”なく提供させた場合、独禁法上、問題になるとしている。保護法は、利用目的を分かりやすく説明してさえいれば、取得の段階で必ずしも同意まで求めていない。

 「不当な利用」でも判断が分かれる。

 例に示す「利用目的の達成に必要な範囲を超えて、消費者の意に反して個人情報を利用すること」。例えば、目的を「商品の販売」に限定しつつ、同意なくターゲティング広告を行った場合、独禁法上、問題になる。”同意”を得てもそれがサービス利用のための「やむを得えない同意」であれば問題になる。「優越的地位を利用したもの」と判断されるためだ。

 保護法は、「必ずしも同意まで求めていない」(個人情報保護委員会)。ただ、企業側が示した利用目的が、どの程度の内容を包含するか、個別事案で判断される。

 ただ、そうした認識は、個々の消費者で異なる。どの程度の規模の発生を問題視するかは、「個別事案ごとに判断する」(公取委)とする。

 取得した個人情報を、同意なく第三者に提供した場合は、独禁法、保護法いずれも問題になる。ただ、独禁法はやはり、仮に同意を得ても「意に反した同意」であれば問題になる。

 個人情報保護法上、「個人情報」と判断されるのは、氏名や生年等で構成され、個人が特定される情報。ただ、例えば「Aさん」「50代男性」のように特定できない識別のための”符号”であっても、複数の符号の集積から個人が特定できれば、個人情報として扱われる。

 独禁法で規制するのは、消費者の属性、行動、消費者個人と関係する「すべての情報」。「Cookie(クッキー)」の情報も含まれる。「クッキー」の管理・利用範囲は、企業ごとに異なり、保護法上は、その利用範囲によって、同法上の「個人情報」と判断されるとみられる。


 
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