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ヒラキ ウェブシフトが着々、価格に加え今後は「機能性」も

2019年11月28日 15:00

 靴の企画・販売などを手がけているヒラキでは、EC限定の企画や先行発売を行うことでウェブシフトが進んでいる。また、下期からは手薄だった商品ジャンルの拡充や新機軸での開発を行うなど、新規顧客開拓に向けた土台作りを強化していく。

 同社の2020年中間期(4~9月)の通販事業の業績は売上高が前年同期比2・5%減の41億8600万円、営業利益は同28・4%減の4億2600万円。第1四半期の受注減や大きなヒット商品が不在だったことなどが響いて、減収減益となった。売上高に占めるウェブ比率については同4ポイント増の64%で、さらにスマホなどのモバイル経由割合は同6ポイント増の76%となっている。

 ウェブについて、近年はアフィリエイト広告による新規開拓強化を図っており、特にポイントサイトでは18年5月から実施している「LINEショッピング」が約3000人、19年4月から開始した「ハピタス」「楽天リーベイツ」で1000人程度を開拓。今年7月には「セゾンポイントモール」でも開始している。結果的に新規獲得客の10%強程度をアフィリエイト広告で占めるようになった。

 また、当期は新元号を記念して半額タイムセールや全額キャッシュバックのキャンペーンも行うなど販促には力を入れていた。ウェブ限定のキャンペーンやネット先行発売を強化していることで、ウェブ誘導は順調に進んでいるようだ。

ベビー・キッズ衣料を拡大

 下期は巻き返しに向けて、新商品を機軸に顧客層の世代拡大を図っていく。その一つがベビー・キッズ衣料の強化で、11月中旬より44アイテムを投入。ベビー・キッズ向けはこれまでも取り扱いがあったものの、比較的手薄な分野であり、特にベビー(1~3歳)については靴、パジャマ、アウターを中心に15アイテム程度しか扱いがなかった。同社の中で顧客需要も少なかったために強みである低価格を実現するための発注量をクリアできなかったという背景もあった。

 今回、取り扱いを開始したのは70センチメートル~140センチメートルの男児・女児のインナー(肌着)、ベビー食事用エプロンで、価格帯は2~5枚セット組みで500~1000円。ネット限定の販売となる。ベビー・キッズ衣料に強い企業の協力を得て品揃えができたもので、現在は試売段階ではあるものの、状況を見ながら靴やアウターなどへも横展開していく方針。現在の主力顧客層である子育て世代よりも1世代下の”子育て開始世代”にアプローチしていくことで、継続的な顧客化を図っていく狙い。

 また、上期に大きなヒット商品を出せなかった主力の靴ジャンルにおいても大きなテコ入れを実施する。今期は「過去のデータやトレンドなどを読みながら商品開発しているが、昨今は靴については様相が少し変わってきた」(伊原社長)と説明しており、従来通りスニーカーは好調ながらも、天候不順の影響もあってか、季節商品では特色を出した人気商品が生まれ辛くなっている。

 同社の場合、これまで集客に大きく貢献する販売促進商品を税別499円、780円などの価格帯で販売してきた。しかしながら、現在は価格面の訴求だけでは大きな集客効果が図れなくなっているという。

 そのため、安さに加えて機能性を強化したワンランク上の商品を開発することで、ブランディングを図りながら、既存の「販売促進商品」「スクール商品」と並ぶ3つ目の主軸ジャンルとして育てていく考え。

 特にジュニア、スポーツスニーカーについては靴市場においてスニーカーが全般的に伸長している中、ジュニアは同社の主力層にも該当する。走る、曲がる、止まるといった各段階で高機能が求められている点もあり、そこでの差別化を図った新次元のジュニア、スポーツスニーカーを来年春夏で開発していく計画。

 価格帯について現状では非公表だが、「当社の特徴は安さにもなるので、当然、市場同等商品よりも安価に設定する予定にしている」(同社)とした。
 
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