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【ポンパレモールの現状と今後 リクルートライフスタイル㊦】 広告メニュー拡充へ、グループ内連携強化も鍵に

2020年 1月 9日 13:45

 リクルートライフスタイルが運営する「ポンパレモール」では、昨年夏より基本料金を無料化するなど戦略の一部見直しを図っている。ビジネスモデルの変更に伴った今後の戦略方針やモール市場の見通しについて、前号に引き続き、同モールの常泉仁志プロデューサー(写真)に話を聞いた。

 ――モール運営で重視していることとは。

 「繰り返しになるが、『Pontaポイント』の利用先というところの価値を突き詰めるのがポンパレモールの役割になる。(ポイント戦略は)他のモールでも取り組んでいるが、やはりここが最大のテーマ。市場感的にもキャッシュレス還元が叫ばれる中、どうしてもポイントは付いて回る。顧客がそこで得たポイントをどこで使うのが一番お得なのか。出店者にとってはどこのポイント経済圏に入るのが自分たちの売り上げを上げられることになるのか。よりポイントを使いやすいサイトを目指したい」

 ――2020年の取り組み目標については。

 「今まで定番だった『還元祭』はどの商品を買っても還元を受けられる点が一番支持されていたが、どうしても基本出店料を無料にするということは当社としても一時的に売り上げが落ち込むことが戦略上見えてくる。今は還元祭に代わるような特集や企画を考えて動いている。

 物が売れるメカニズムはストーリー性が非常に重要になる。単純に安いだけで勝負すると、還元率勝負にしかならない。他にも大きなモールがある中でそうした勝負をするよりも、顧客にポイントが付与されるタイミングで、いかに顧客にとって必要なものを重視した特集やキャンペーンを行えるかが大事。今年はそれを高速に回していきたいので、サイトの見せ方は変えていこうと思う」


 ――出店者側に提供していくことでは。

 「少額からでも始められる広告メニューを開発部分も含めて充実させることに力を入れていく。たくさんお金を持っている出店者だけを重視するわけではなく、まずは広告として費用をかけたらかけた分だけ収益が上がるようなメニューを検討している。また、人を使って広告を販売するということではなく、私個人としてはテクノロジーをしっかり入れて、管理画面上から簡単に広告を販売できる形を目指さなくてはいけないと思う」

 ――今後、グループ内の他のサービスのリソースを活用することは。

 「ポンパレモールをハブにして、他のサービスを含めてどうするかということは各所として検討の話は上がっているが、今はまだ方向性を探っている段階。19年に行ったものでは、リクルートの会員資産を使った連携として、今後どんな商品が売れていくかなど、ポンパレモール未利用者も含めたリクルート会員にリサーチを行って商品開発に生かしてもらうというメニューをいくつか行った。

 メールで配信する内容で、そこからアンケートフォームを立ち上げるもの。リサーチ対象の属性や人数なども選べるようになっている。ポンパレモールでも梅干し販売の出店者が、『梅干しはすっぱいものが売れるのか、それとも甘い方がいいのか』という内容で行った。こうした取り組みはリクルートグループの事業シナジーとして、今後鍵になってくる部分」


 ――今後のモール市場見通しについて。

 「『仮想モール』という形がどこまで続くのかということは非常に気になっている。今は自社ECサイトが簡単につくれるような会社が多くなっていて、デザインなども非常に綺麗にできるプラットフォーマーもいる。

 やはり”モール嫌い”という出店者もたくさんいる。それでも売り上げを作るためにモールに出店しなくてはいけないという中で、自社ECなのかモールなのか、今はどちらでいくかの瀬戸際にいるのではと感じる。我々もモール型というものをどこかで絶対に形を変えていかなくてはいけないと考えている。ここが今一番、注目しているところだ」(おわり)


 
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