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楽天の「楽天市場」 スマホ向けサイト刷新、HTMLタグの入力厳格に

2020年 2月17日 13:29

 楽天の運営する仮想モール「楽天市場」が、スマートフォン向けウェブサイトを刷新することが分かった。使い勝手を向上させるほか、スマホ向けサイトとアプリのデザインを統一する。また、RMS(店舗管理ツール)の不具合(バグ)を利用し、本来は禁止されていたタグを使うことで写真を大量に表示させたり、独自コンテンツを表示させたりするなど、ページをカスタマイズしている店舗があったが、こうした行為もできないようにする方針だ。

 一部店舗には方針を伝えた。同社が店舗に説明した内容によると、SEOの評価が低迷しており、スマホ向け商品ページへの外部流入が減少傾向にあるほか、店舗の商品ページにジャバスクリプトが使われたことなどが原因で「購入ボタンが押せない」といった問い合わせがユーザーから多数来た事例もあったという。さらに、こうしたカスタマイズはセキュリティー面でも不安もある。

 新デザインでは、スマホ画面をスクロールしても最上部にリンクが表示される「フローティングアンカーリンク」を設置し、商品情報や店舗情報、レビューにアクセスしやすくするほか、店舗名を記した大きなバナー上部に配置、店舗内を回遊しやすくする。また、商品情報の読みやすさも改善した。新機能も追加し、最終的にはスマートフォン版楽天市場と楽天市場アプリの画面デザインを統一する。

 また、現状のRMSには、スペースを大量に入力することで、本来は禁止されている「link」「script」「iframe」といったタグが使えるようになるバグがある。バグを利用することで、商品説明をリッチにしたり、外部企業が提供している販促ツールをページ内に表示させたりしている店舗がある。特にユーザーの性別や年代にあわせた商品やバナーを効果的に提案できる「にぎわいツール」は人気がある。こうした独自コンテンツをスマホ向けページに差し込んだり、クーポン獲得など独自のフローティングコンテンツを用意したり、既存コンテンツのデザインを上書きして、豪華な画面にしたりといったカスタマイズが目立ったという。

 アプリからアクセスした場合でも、ページ内のリンクを押すことでスマホ向けページを表示させることができるため、ページをカスタマイズすることで、店舗内の回遊性を高めていた店舗もあったようだ。そのため「タグの除去などの修正はそこまで手間はかからないが、バグを活用していた店舗はコンバージョン率に影響が出るかもしれない」(あるネット販売コンサルタント)という。

 今後はHTMLタグの入力制限を厳密に行うようにする。新たに不許可タグが入力できなくなるほか、すでに利用している場合は禁止タグの修正が必要になる。修正期間は今年4月~7月まで。スマホ向けページの新デザインは7月からスタートする予定。

 楽天では「ショップページの改善方針は、アプリ、スマホ版、パソコン版を含めて、多様性と統一性のバランスをとったページ構築を可能にしたいと考えている」(EC広報課)としている。また、今年下期には複数の新機能をアプリへも展開し、アプリ上の表現性の向上を図る計画。
 
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