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次世代型店舗「キュレックス」 実物確かめてからネット購入、棚とデジタルサイネージ組合せ

2020年 3月 5日 13:40

 「実際の商品を手に取ってサイズ感や素材を確かめてからネット購入」。ソフトバンクグループのSBエンジニアリングと経路検索サービスを展開するジョルダンは共同開発した商品棚とデジタルサイネージを組み合わせた次世代型店舗「QRECS(キュレックス)」(=画像)で商品を販売したい通販事業者の募集を3月2日から開始した。

 「キュレックス」は商品棚とネット販売する商品の画像などを表示するデジタルサイネージを組み合わせたサービスで、来店者は購入したい商品があった場合、棚に置かれた商品の実物を確かめながら、デジタルサイネージで表示した当該商品を選択、画面に表示したQRコードをスマホやタブレットのカメラで読み取ることで、連動する仮想モールや通販サイトに遷移し、ネット販売で商品を購入できる仕組み。商品は店頭で引き渡すのではなく、後日、自宅など指定場所に配送する。

 3月2日から「キュレックス」で商品を販売したい出店者の募集を開始。「キュレックス」に出店することで来店客に商品の実物を体感してもらえるなどリアルの場での商品のPRのほか、これまでオンラインではリーチできなかったユーザー層へ訴求できるため、新規顧客獲得が期待できるという。出店はリアル店舗と異なり、現場での接客・レジ対応や在庫調整などが不要で、月単位での契約が可能で期間限定のポップアップショップの出店やテストマーケティングにも活用できるという。まずはソフトバンクグループのヤフーが運営する仮想モール「ヤフーショッピング」および「PayPayモール」の出店者をメインに募集したい考えだが、「キュレックス」専用の通販サイトの構築も可能であるため、ヤフーショッピングの未出店者やECサイトを持っていない事業者の申し込みも可能だとしている。

 また、「キュレックス」を設置したい施設運営者の募集も同時にスタート。設置施設には「キュレックス」で商品を販売する通販事業者から徴収した出店料を渡すモデルとし、施設の空きスペースを活用して新たな収益を得られる訴求し、商業施設や鉄道の駅構内、駅ビルなどの運営者を想定しているようだ。なお、商品棚は仕切りのあるタイプやハンガーラックタイプなど様々な種類を設け、サイズもスペースに応じて柔軟に用意できるという。

 今後、「キュレックス」では多言語対応のほか、AI(人工知能)を活用したカメラを設置し通過・滞留人数やサイネージの閲覧数、ユーザーの属性などを計測・分析し、表示内容や出店料の検討の参考にするなどし、ユーザーや設置施設、出店者にとって利便性が高くなるよういサービスを改善していく考えとしている。

 
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