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消費者庁 エムアンドエムに措置命令、大量の「打消し表示」無効を判断

2020年 3月16日 13:29

 「打消し表示」の無効を強く印象づける措置命令といえそうだ。消費者庁は3月6日、健康食品通販等を行うエムアンドエムに、景品表示法に基づく措置命令を下した。筋肉増強効果や、痩身効果の標ぼうに対する優良誤認を認定したもの。だが、違法認定以上にインパクトを残すのが、34項目にわたる大量の「打消し表示」の無効判断だ。

 これまで、消費者庁が措置命令に付随して無効を判断したのは、「※個人の感想です」など、体験談に絡み行われるものがほとんどだった。

 今回、無効と判断されたのは、「理想の体(※健康的で美しい体)」、「ボディメイク(※健康体構築)」など、34項目にわたる(=)。エムアンドエムは、効果に言及する各所で行っていたが、「効果に対する認識を打ち消すものではない」と、その無効を判断した。景表法に詳しい弁護士は、「行政は『打消し表示』について、度々、免罪符にならないと言及しているが、事業者側に浸透していない。今回の無効判断は、象徴的な例」と話す。

 措置命令は、HMB等を配合する健食「ファイラマッスルサプリHMB」に関するもの。広告では、筋肉質な人物の画像とともに「1日たった4粒飲めば体が引き締まる!」などと表示していた。

 消費者庁は、不実証広告規制の規定に基づき、表示の裏付けとなる合理的根拠の提出を要求。資料が提出されたものの、合理的な根拠とは認めなかった。

 提出されたのは、配合成分の一部に関する研究資料。一定の摂取量で筋肉維持や筋肉増強への効果を示すものだが、「商品の配合量は、研究で効果が認められた成分量より少なかった」(表示対策課)とする。

 一方、違法認定では、「あたかも、健康的な食事や運動とともに商品を摂取し続ければ(以下、略)」と触れられている。表示内容から、「商品を飲むだけで筋肉増強効果が得られる、といったところまでの認定には至らなかった」(同)とする。不当表示は、昨年4月以降、複数回に渡り断続的に行われた。また、遅くとも今年1月末から2月末にかけて行われた。

 処分に対し、エムアンドエムは、「消費者庁の指摘を真摯に受け止める。再発防止に向け表示管理担当者を定め、社内決裁の体制を整える」としている。
 
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