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イーベイジャパン、リピーター獲得の商材【「Qoo10」食品強化の狙いとは㊤】 「ふるさと納税」も昨年開始

2020年 4月20日 14:00

 仮想モールの「Qoo10」を運営するイーベイジャパンでは昨年よりふるさと納税サービスを開始するなど、食品ジャンルを機軸とした戦略を強化している。リピーター開拓も見据えた新たな方針について寺村宏フードカテゴリー室長に話を聞いた。
 










 ――昨年は「フード」カテゴリーで大きな変化があった。

 「Qoo10=女性会員が多いので、カテゴリーで言うとレディースファッション、コスメが強いのは昔から今も変わりがない。2016年にはその2つの強いカテゴリーだけでなく、総合モールとしてリピーターの獲得を強化しなくてはいけないというタイミングの中で、『食品』に焦点を当てることとなり、16~18年にかけて会社を挙げてフードカテゴリーの実績を伸ばしていく戦略となった。

 17年当時、規模感ではまだほかのカテゴリーよりも小さかったが、前年比の伸び率で見ると一番大きく成長できた。コンバージョンも含めて非常に反応が良く、会社から露出強化のための支援ももらいつつ、その後もQoo10全体のアベレージと同様の伸びを維持し、現在に至っている。

 基本的に口に入るものはすべてフードとしてやっている。具体的な商材ではお米や飲料、あとは一般食材のお惣菜やスイーツ、果物など。健食、サプリメントもフードカテゴリーとなる」

 ――フードで持続的な成長を果たすことができた背景とは。

 「いくつかの環境変化がある。まず、社外的な変化としては、18年に(Qoo10を運営するジオシスの日本事業が米イーベイに)買収され、年末にQoo10として初のテレビCMが始まった。当社の場合、セラーさん開拓の営業は基本的にテレアポでアプローチしているが、CM放送以降は今まで『Qoo10を知らない』とお断りされていたような他の大手仮想モールの人気店舗が新たに入店する機会が増えたと感じている。

 スイーツ関連のセラーさんをはじめ、19年で言えばフードの需要が一番伸びる第4四半期(10~12月)にカニや海鮮といった商材で他モールのランキングで常にベスト10に入っているようなセラーさんの出店があった。以前からお声がけしており、Qoo10の存在自体は知られていたが、CMによって存在感が大きく増し、フードだけではなく、全カテゴリーを通じてこのような動きになった。19年は特にそれが加速して、有名どころのセラーさんが一気に増えたと捉えている」


 ――新たな試みとしては。

 「19年は社内的な変化も大きくあった。10月に『ふるさと納税』に参入したことだ。元々、16年頃から市場の盛り上がりも見つつ、当社でも参入の検討段階にはあったが、社内的なリソースの問題から中々実現に至らずにいた。しかし、買収後に技術者の数が一気に増えたということもあり、無事ローンチすることができた。

 我々、仮想モールがふるさと納税のコンテンツを開始すると、一見、『ショッピング感覚』で決済をするというイメージを持たれるかもしれないが、実際は『購入』ではなく『寄附』に当たるため、既存の決済周りなどはすべて一から開発し直すなど色々と苦労があった」


 ――技術的なものだけではなく、自治体の開拓など営業面での苦労については。

 「最初は我々の方から直接自治体さんにアプローチして登録してもらう形をイメージしていたが、それではスタート時に多くの数を集めるのは難しいのではないかという結論に至った。そこで、すでにふるさと納税事業を行っているレッドホースコーポレーションさん(以下レッドホース)とアライアンスを組み、既に契約のある自治体様の営業、サポートをもらう形を取った。

 結果的に30自治体での品数でいうと3000品くらいの規模でのスタートとなった。自治体数と品ぞろえという部分は今後の大きな課題になるかと思う。返礼品の内容に関して、結果からするとランキングに入るような売れ筋品は、お肉や米、海鮮といった他社でも人気があるようなカテゴリーだった。今後は何かQoo10で独自性を出すというところも考えていきたい」


 ――ふるさと納税での課題とは。

 「これだけ市場全体が伸びているにも関わらず、実際の利用者数ではまだ2割もいないと言われている。また、利用者の大半も男性名義。Qoo10の会員属性として20代~40代の女性を7割以上持っているので、ふるさと納税がこれだけ話題となっている中で、まだ利用したことがないような新しい層にアプローチできることは(自治体にとっても)差別化のポイントになると考えている。

 実際にレッドホースさん経由で自治体にヒアリングしたところ、これまで取れていなかった女性からの寄附を集めることができたという声をいくつか聞くことができた。確かにQoo10での寄附者のデータを集計してみると女性の数が多いイメージがある。金額の大小というよりかは、一度経験してもらうと寄附者にとっては当然大きなメリットがあるので、まずはやっていない人に経験してもらいたいという考え」


 ――顧客へのアプローチ手段について。

 「現状、利用拡大に向けての販促としては、ターゲットに刺さるキャンペーンをサイト上で行っている。すでにQoo10を利用している顧客に対してのポイント付与や抽選でのプレゼントなどがある。2019年12月31日までに利用された人に、化粧品やお米、旅行券などQoo10で人気のあるものをプレゼントする企画だった。

 20年についてはベンダーさんとの同行営業も含めて、新しい利用者層が開拓できるというメリットを自治体に引き続き説明していき、目標としては100自治体の掲載をできるように考えている」(つづく)



 
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