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「両社の理念は共通している」【両社の責任者に聞く 楽天・ショッピファイ提携の狙いは?②】 クロスボーダー以外の連携も

2020年 5月21日 11:18

 前号に続き、ショッピファイ・ジャパンのカントリーマネージャー、マーク・ワング氏(写真(右))と楽天海外営業戦略部シニアマネージャーの藤屋俊介氏(写真(左))に、今後の方針やさらなる連携の可能性などについて聞いた。

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 ――楽天市場という巨大な売り場が日本にあることを、どのように米国事業者に伝えていくのか。

 ワング「アメリカと日本のマーチャントがショッピファイにログインにすると、販売できるチャネルを表示したセクションがあるが、フェイスブックやグーグルショッピング、インスタグラム、アマゾン、イーベイなどと並んで楽天市場もリストに加わっている。楽天市場を通じて日本で売ることに興味がありそうなマーチャントを洗い出すためのデータはたくさんある。例えば、日本すでに販売しているかどうか、売上規模、扱っている商品のジャンルなどから分かる。楽天と協力して、そういったマーチャントに対してはメールでアプローチしたり、管理システムからアプローチしたりしていく」

 ――新型コロナウイルス感染拡大の影響で消費が落ち込んでいるのは世界共通だが、海外市場に目を向ける企業は増えているのか。

 ワング「皆にとって厳しい時期だが、特に小規模な小売り企業にとっては非常に厳しい。ただ、今こそ小売り企業は『オンラインでいかに売るか』『新しい成長源を見出す』ことが必要だ。それによって、国内における実店舗の売り上げ減を相殺していく必要があると思っている。今回の連携が、マーチャントを支援する一つの手段になればいいと思う」

 ――今後、ショッピファイが日本で利用店舗を広げると、楽天にとってライバルとなるのでは。

 藤屋「楽天は『オープンコマース』を目指しており、楽天経済圏は楽天市場にとどまることなく、例えば楽天IDを使った決済を通販サイト向けに提供している。決済サービスの提供についてもショッピファイと協議しているし、そういったところでもパートナーシップを組めると思っている。また、ショッピファイでスタートし、より大きなマーケットにチャレンジしたいということであれば、そのまま楽天市場にも出店できる。ショッピファイの方が固定費は安く、チャレンジしやすいので、Eコマースをいろいろな事業者に広げるという意味では、ライバルというよりパートナーとして住み分けできるのでは」

 ――米国事業者が出店する際のプランは。

 藤屋「1プランのみで、日本の事業者向けに用意した『スタンダードプラン』とほぼ一緒の内容だ。ECコンサルタントもカリフォルニア州のサンマテオに拠点を構えており、バイリンガルのスタッフが北米の店舗をサポートする」

 ――通常の出店プランの場合、RMSでショップ構築をすることになるが、ショッピファイ経由で出店する場合はどうなるのか。

 藤屋「今回の連携によって可能になったのは、主に受注管理と商品登録、在庫管理だ。ただ、決済方法や配送方法の登録、楽天市場のトップページ作成などはRMSで作業する必要がある。理想はショッピファイ上での完結だが、現時点ではそうなっていない。日本国内に『RMSサービススクエア』という、制作会社などを紹介するサービスがあるので、英語対応できるベンダーを紹介して、外注できるようにする。ただ、顧客対応を考えると日本語ができる必要があるので、出店時の条件として日本語のスピーカー確保を入れている」

 ――今回の連携以外で、他にどういった部分でパートナーシップを組めると思うか。

 ワング「両社間で最初に話していたのは『日本向けの決済システムで連携できないか』という点だ。ショッピファイは物流面や商品出荷面の機能を強化しているが、楽天は日本においても米国においてもこれらの機能で強みを持っているので、こうした分野での連携が考えられる。楽天はマーケットプレイスとしても、アメリカやドイツなどグローバルで存在感があるので、日本以外の国で楽天が展開するマーケットプレイスでも今回と同じサービスを行えれば。また、楽天市場を通じて日本へ売るという提携については、全ての国に広げていきたい」

 藤屋「楽天とショッピファイは企業理念が似ている。ショッピファイは自社サイトを作るというサービスで、中小企業を中心に店舗を拡大してきた。一方、楽天はマーケットプレイスという場を提供することで中小企業をサポートしてきた。やり方は違うが向かっている方向は同じなので、お互いにサービスを広げていくことで、社会や人々をエンパワーメントしていきたい」

 ――目標とする店舗数や流通額などは。

 藤屋「サービスを開始したばかりで議論している最中であり、現時点で出せる数字はない。ただ、北米と日本で同時に告知を開始しているが、米国からの問い合わせが非常に多い。コロナ関連のニュースばかりという状況で、さらに楽天市場の北米における知名度は、日本においての知名度に比べたら低い。ショッピファイのパワーもあると思うが、と関心が高まっているということだと思う」

 ――今後の目標は。

 ワング「今回の楽天との連携で重要なのは、両社のミッションや理念が共通しているということだ。両社は手法こそ違うが、目指すのは事業主の成長・成功を支援してくという点は同じだ。今回の提携で両社が望んでいるのは、マーチャントができるだけ多くの消費者のリーチできるようにしていくことだ。そして、クロスボーダーのビジネスが拡大することで、マーチャント・消費者双方にメリットが生まれる。ミッションが共通でビジネスモデルが大きく違うという特性を活かせば、両社は相互補完していけるのではないか。クロスボーダーのみならず、決済や物流面での連携もしていければ」

 藤屋「楽天グループの『楽天経済圏』はもはやEコマースだけではなく、決済やポイントパートナーなども強みだ。ショッピファイが日本でビジネスを拡大していくにあたり、そういったところのサービス提供が検討できると思う。パートナーシップは加速度的に大きくなっていくのではないか」(おわり)

 
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