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北の達人「不競法差止訴訟」 LINE広告は和解、はぐくみプラスが謝罪し消費者庁に報告

2020年 6月11日 07:33

 北の達人コーポレーション(以下、北の達人)が、はぐくみプラスに不正競争防止法に基づく表示の差し止めを求めていた訴訟は6月4日、東京地裁で和解が成立した。北の達人の主張を受け入れ、はぐくみプラスが謝罪した。北の達人は、一連の経緯を関係省庁にも報告するとしている。両社は、これとは別に、オリゴ糖配合の健康食品の表示をめぐる訴訟が現在も係属している。

 はぐくみプラスは、販売する健食「はぐくみオリゴ」に関するLINE広告で「身体の中から免疫力アップでコロナウイルス対策」などと表示していた。

 北の達人は、表示が不競法の品質誤認表示にあたると指摘。自社商品「カイテキオリゴ」の営業上の利益が侵害されるとして表示の差し止めを求めていた。

 和解は、はぐくみプラスが自社サイトに謝罪文を掲載(6月5日~11日)する内容。自社のLINEアカウントを通じて消費者にも同様の内容を通知する。また、LINEアカウント削除の手続きを行い、削除完了を北の達人に通知する。

 はぐくみプラスは、表示内容が、景品表示法や薬機法に違反する可能性があるとの内容の謝罪文を掲載。再発防止を図るとする。

 和解に、北の達人は「主張がほぼ全面的に受け入れられた勝訴的和解」とする。公正な競争環境における事業活動の展開に向け、今後も必要に応じて法的措置を含む対応を行う。新型コロナウイルス感染症の状況を受けて、訴訟結果を消費者庁、厚生労働省、都道府県の薬務課に報告するとしている。

 北の達人は、これとは別に18年7月、はぐくみプラスを相手取り、東京地裁に不競法に基づく訴訟を提起している。「はぐくみオリゴ」の表示が、同法の品質誤認表示、信用毀損行為にあたるとして、表示の差し止めと、11億円の損害賠償を求めている。はぐくみプラスが、アフィリエイター向けイベントで、「カイテキオリゴ」について、「オリゴ糖100%じゃない。はぐくみプラスはその点、良品で100%」などと説明したとしている。はぐくみプラスは、「イベントで商品の違いを聞かれ何らかの回答をした可能性はあるが、追跡できない」などとして争っている。
 
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