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ガラパゴス LP改善サービスが好調、AIで「売れるLP」作成

2020年 6月25日 07:41

 ガラパゴスでは、人工知能(AI)を活用し、ランディングページ(LP)のコンバージョンレート(CVR)を改善するサービスを提供している。

 同社が提供する「AIR Design(エアデザイン)」は、AIを活用してロゴやウェブページなどのデザイン制作を自動化し、品質の高いクリエイティブを生み出すことができるソリューション。現在はLP制作支援事業に注力しており、化粧品通販企業や金融関連、通信企業など約70社が利用している。

 同社の中平健太社長(=写真)は「LPはデザイナーが勘や経験をもとに作ることが多い。広告配信に関しては広告代理店によりクリック率の改善がなされるが、広告のクリエイティブはアナログでデザイナーに頼る部分が多く、CVRに問題があっても修正は遅れがちだ」と指摘する。

 同社のサービスでは、ネット上をクローリングして集めてきた約4万件のLPをAIが画像解析をするほか、スコアリングを行う。定期的に画像が更新されているLPに関しては「パフォーマンスが高い」と判断して高い点数を付ける。分析・スコアリングをしたLPをデータベース化した上で、AIがページ構成やテキスト(単語群)をチョイスし、「売れそうなLP」のひな形を作るという流れだ。

 その上で、同社のライターがクライアントからのオーダーにあわせた形でページを調整し、デザイナーが仕上げを行う。これまではLP制作に40日かかっていたものが、10日で可能となる。コストに関しても、従来のLP1本制作費用が50~70万円に対し、LP1本に4つのバリエーションも加えて50万円で制作できる。

 クライアントは複数パターンのA/Bテストが可能になるため、導入企業は短期間でCVRが改善しており、オルビスは導入後にCVRが1・6倍になったという。

 導入費用は、毎月1本LPを制作する「ライトプラン」は初期費用10万円、月額費用30万円。複数のLPでA/Bテストする「スタンダードプラン」は初期費用10万円、月額費用50万円(契約期間はいずれも3カ月)。多数の商材を展開する企業向けの「プロフェッショナルプラン」もある。

 同社では今後、エアデザインを広告動画やバナー広告の効率改善にも活かすほか、折込チラシやダイレクトメールのようなオフラインで使われる広告のデザイン制作にも使えるようにしていく。中平社長は「デザインのプロセスを可視化した上で標準化し、AI化する。マーケティングに関連したデザイン業界、クリエイティブに用いられる人件費は年間約5000億円とみているが、3年でそのうちの2%にあたる100億円規模の事業に育てたい」と意欲的に語る。

 
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