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消費者庁の特商法検討会 「定期」規制、最優先課題に、表示ルール化、大半が支持

2020年 7月 2日 07:50

 消費者庁の特定商取引法等の見直しに関する検討委員会(委員長=河上正二東京大学名誉教授)は、6月29日の第4回会合で「定期購入」の規制に向けた規制の検討を本格化した。規制強化に大半の委員が支持を表明。検討課題が多岐に渡る中、河上委員長は、優先課題の第一に定期購入の規制を挙げた。規制強化は避けられそうもない状況だ。

 「特定商取引法及び預託法の制度の在り方に関する検討委員会」で検討が進む。

 定期購入をめぐっては、「初回無料」などとうたい、複数回の継続を条件とする”定期縛り”、「解約自由」とうたい、事実上の解約を拒否するトラブルが急増している。

 会合では、消費者サイドの委員から「お試し価格」等の強調表示に対し、販売条件等の文字が小さいことから、「申し込み確認画面、広告で文字の大きさなど誤認を防止する表示の義務づけが必要」(池本誠司委員)といった意見が出た。初回価格等の表示と2回目以降の契約条件の一体的表示、「お試し」など誤認を招く表現の禁止を求める声もあった。誤認による契約締結に至った場合の契約の取消権の導入、刑事罰の検討を求める意見もあった。

 解約をめぐるトラブルへの対応では、ネットで解約手続きが行える体制の整備を義務付けることを求める声もあった。

 事業者サイドは、日本通信販売協会の万場徹専務理事が出席。「一部の悪質業者への規制が健全な事業者の足かせとならないよう、規制の必要性を検証すべき」と訴えた。

 昨年、定期購入の消費生活相談は約4万4000件で前年から倍増している。ただ、特定の悪質業者が社名変更を繰り返し、同様のトラブルを起こしている実態もある。EC市場の拡大の中で、相談件数のみを捉えることへの懸念も表明。官民で連携を図り、相談内容から注意喚起する「悪質業者早期警戒システム」の構築を提案した。日本訪問販売協会の大森俊一専務理事も「現状のガイドラインによる規制効果を検証すべき」とした。

 定期購入に続く優先課題に挙げられたのは、デジタルプラットフォーマーに対する特商法上の措置の検討。ただ、大半の委員は、プラットフォーマーによる自主的な取り組みに理解を示し、早急な規制強化策に慎重な姿勢を示した。

 
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