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楽天の「楽天市場」 支援ツールを安価に提供、外部企業のツールを認定、商品撮影など人気に

2020年 7月 9日 07:30

 楽天では、仮想モール「楽天市場」出店者向けに、店舗運営のための支援ツールを紹介するサービス「RMSサービススクエア」を2014年8月から運営している。

 同サービスは、楽天が定めた基準を満たしたサードパーティーの支援サービスを紹介するというもので、今年7月現在で74社232サービスが掲載されている。楽天市場には店舗運営サービスとして「RMS」があり、店舗構築、受注管理、アクセス解析、メール配信の機能を備えている。RMS内での店舗運営を支援するサービスがRMSサービススクエアとなる。

 同サービスでは「画像加工・購入」「商品撮影」「ページ制作」「ページ制作ツール」「顧客対応」「受注管理」「運営支援」「データ分析・管理」という、店舗運営においてニーズが強い8つのカテゴリーに分けてツールを展開。豊富なラインアップや楽天がクオリティーを担保していること、利用しやすい価格などが特徴。利用料は後払いで、支払い月はサービス利用の翌々月となっているため、店舗にとっては使いやすい仕組みとなっている。

 同サービスでは、提供している評価指標について検査・分析を行い、各評価指標をクリアしたサービスを「ゴールドサービス」として認定し、「ゴールドサービス認定マーク」を付与している。サービスの売り上げや利用店舗数、店舗によるレビュー点数、解約率、無料利用期間から有料へのアップグレード率、さらにはサポート体制やトラブルの有無、楽天市場の仕様変更に対応できているかなどを総合的に判断して決めているという。半年に1回更新しており、今年上半期の認定製品は11企業16サービスとなっている。

 商品撮影や撮影代行などを手掛けるバーチャルイン(同・札幌市中央区、沖中忠國代表)では、商品撮影サービスとモデル撮影サービスがゴールドサービス認定を受けている(前者は7回目の認定、後者は5回目の認定)。商品撮影は300円からで5カット1000円、モデル撮影も5カット1000円と安価で、いずれも無料お試し期間があるのが特徴だ。店舗からは「非常に安価」「撮影してもらったことで商品が売れるようになった」「RMSのコンサルタントから紹介してもらって良かった」など、高い評価を受けている。

 商品撮影の場合、利用企業が同社に商品を送った上で写真を撮る仕組みだ。バーチャルインの沖中忠國代表は「店舗は『どういう写真が撮影されるのか』が心配になるだろうが、最初に無料お試し期間があるので、安心して利用してもらえる。価格もカメラマンを雇って撮影する場合と比較すると、10分の1程度に抑えられる。ハイクラスの写真ではないが、クオリティーを保ちながら安価に提供している」と話す。

 無料お試し期間は、楽天が依頼したことでスタートしたものだ。楽天RMSサービススクエアグループの川瀬洋樹マネージャーは「写真撮影やページ制作は『使ってみたいがどんな仕上がりか分からないので迷う』という店舗からの声が多い。一度使って出来上がりが分かれば継続して発注してもらえるのではないかと考え、すでに店舗から評価が高かったバーチャルインに声をかけた」と話す。バーチャルインの場合、無料期間からのサービス継続率は95%に達するという。沖中代表は「提案を受けたときは驚いたが、利用店舗が増えたので無料期間を導入して良かったと思う。店舗にとっては『安心・安全』に利用していただけるサービスになっているのではないか」と胸を張る。

 ゴールドサービス認定については、会社やサービスの知名度向上に役立っているほか、人材採用の際のアピールポイントにもなっているという。RMSサービススクエア経由の利用企業が、同社が提供する他のサービスを契約するケースもある。利用しているのはアパレルのほか、バッグやアクセサリーなどを扱う店舗が多く、少人数で運営している企業が中心だ。「どうすれば商品が売れるのか、どこにアピールポイントがあるのかを気をつけて撮影している。楽天市場で売れている店舗の商品ページを見て、商品の見せ方を研究している」(沖中代表)。今後は動画関連サービスにも注力したい考えだ。

 楽天の川瀬マネージャーは「パートナー企業が必要だと思っている機能と、実際に店舗が欲しがっている企業にずれが生じていることは多々ある。そういった場合は、解約率や有料化率をパートナー企業に伝えるとともに、『この機能の方が店舗に求められている』ことを伝えるようにしている」話す。今後の展開については「楽天市場以外の仮想モールに出店している分も含めて、作業を効率化したいという店舗からの声もあるので、店舗に必要な新しいサービスを開発して届けていきたい」という。
 
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