TSUHAN SHIMBUN ONLINE

インターネット・ビジネス・フロンティア株式会社
記事カテゴリ一覧

ヘルスケア表示 拱手の代償② 事件の入口と出口

2020年 8月20日 14:50

大阪府警の狙いは代理店

 大阪府警があげたステラ漢方の薬機法違反事件は、これまでのセオリーから外れた「謎」が多い。このことも業界を戸惑わせている。

 「謎」を解くポイントは大阪府警がどこに狙いをつけていたかという点だ。普通に考えれば、薬機法違反事件において、最も罪深いのは、医薬品的な効果効能をうたい「ニセ薬」を販売して、不当利益を貪っていた販売者であろう。ここをターゲットに捜査を進めるのが定石だ。

 ところが今回の事件では、これまでのところ、販社のステラ漢方には、当局の強いお咎めが伺えないのだ。

 今回の事件では6人の逮捕者が出ているが、ステラ漢方からの逮捕者は、従業員1人。通常であれば、会社の責任者である社長が逮捕されるはずだが、社長は拘束されていない。逮捕状を執行した7月20日に、たまたま社長が所在不明だった可能性もあるが、その場合は時を置かず、逮捕に踏み切る。今回はそうした形跡も見られない。

 不可思議なのは、ステラ漢方が、事件後も通常通りにネット広告を行っている点だ。

 過去に薬機法違反で検挙された経営者によれば、警察が家宅捜索に入った時点で、問題の製品は「売るな」と命じられたという。さらに関係者には捜査が終わるまで、「旅行禁止」とされたという。外出すると当局と思われる尾行がつくなど、逮捕前から強い監視下に置かれ「精神的に相当まいった」と話す。

 この後、警察は、家宅捜索で押収した顧客リストを基に、製品を購入した顧客に電話でアプローチし、健康被害などの被害届を提出するように求めていた節があるという。「顧客から警察から電話があったと苦情が来て被害届の収集に気付いた。嵌められていくようで慄然とした」。

 今回は従業員の逮捕後にも問題の健康食品「肝パワーEプラス」が「お客様満足度95%」「モンドセレクション2020金賞受賞」という触れ込みで販売されている。ヤフーなどへの出店でも同様に販売されている。

 さらに不可解なのは、逮捕の当日に同社のサイトに社長名でお詫びとあわせて「今後、捜査当局の協力要請等には誠実かつ真摯に対処して参る所存です。」というコメントを出していることだ。

 「協力要請」という言葉は、他人事にも思える表現と感じざるを得ない。

 加えて、逮捕されたステラ漢方の従業員は、2日で釈放され、在宅での取り調べとなっているという。

 こうした大阪府警の動きから推察するに、今回の事件の本丸は、広告代理店であるKMウェブコンサルティングとソウルドアウトからの逮捕者であった可能性が浮上する。

 つまり、ステラ漢方が、自社で行っていたネット広告には、薬機法上の問題がなく、代理店を経由して行っていた一方で、ステラが関与していなかったアフリエイト広告が問題となり、事件化したのではということだ。

 事件の主従が、通常とは逆転している訳だ。こうしたケースは、薬機法違反事件ではこれまで例がないと思われ、新しいタイプの取締りといえる。

 ネットの広告代理店や制作会社が大混乱に陥り、LP広告をこぞって引き上げているのも、うなずけるところ。自分がつくったサプリメントの広告で、逮捕される可能性が浮上すれば、夜もおちおち寝ていられないのが人情であろう。

 これは大阪府警だからこそ出来た事件とも言える。47都道府県の警察の中で、現在最も薬機法違反事件に熱意とノウハウを有するのは、大阪府警といえるからだ。

 薬機法違反事件だけで、この2年で10件以上を手掛けており、健康食品に絡む事件でも、「がん」などへの効果をうたっていた神奈川県や東京都の事業者を逮捕している。

 薬機法違反事件は、検察との連携も欠かせず、神奈川県警が以前、無双の強さを見せたのもこれがポイントだった。大阪府警も逮捕→立件の流れをつくっていると言える。(つづく)

 
楽天 大型物流センター「SLCみらい」 リピート通販向け基幹システム通販マーケッター 売れるネット広告社セミナー開催! 通販売上高ランキングのデータ販売
通信販売年鑑アンケート調査