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アマガサ モールの物流巡り提訴、クルーズ側も訴訟準備

2020年 9月10日 07:30

 婦人シューズの販売などを手がけているアマガサは9月3日、アパレル通販事業などを手がけるクルーズおよび、連結子会社のCROOZ SHOPLISTとCROOZ EC Part ners(CEP)に対して損害賠償請求の訴えを東京地裁に提起した。

 
 アマガサはCROOZ SHOPLISTが手がけるファッションECモール「SHOPLIST.com by CROOZ」に出店しており、CEPが手がける物流サービスを利用している。アマガサによると、物流サービス業務を委託していたCEPが「相模原 SHOPLIST物流センター」において保管・管理している同社商品について6月下旬以降の出荷などを拒否したことにより、春夏物商品の販売ができなかったため、損害賠償金としてクルーズグループに対して連帯して約9400万円の支払いを求める損害賠償請求を行ったという。

 本訴訟に先立って、アマガサでは同センターにおける出荷を拒否されていた同社商品5万足超の即時引き渡しを求めて、8月4日に東京地裁に動産引渡仮処分命令の申し立てを実施。その後、裁判所において和解が成立し、8月26日までに全品引渡しを受けた。しかしながらアマガサでは、春夏物については出荷時期を逸してしまったため、その逸失利益について今回の損害賠償請求に至ったという。

 一方で今回の訴訟に対してクルーズグループは、CEPが出荷を拒否した事実はないと反論。以前より物流サービス業務を請け負っていたが、契約期間が終了する前にアマガサ側の都合により全機材、全商品を他社に移管したい旨の申し出があったと説明。一方的な当該申し出は契約違反となり得るため、CEPとしては正常な取り引きを継続したい旨や、契約に基づくアマガサの顧客への出荷に応じることなどを伝えていたものの、アマガサ側が話し合いに応じなかったとしている。その上で、アマガサの契約違反および過去の通常取引に基づく未回収金額として合計約4億5000万円の請求をすでに行っており、訴訟提起の準備をしているとした。

 加えて今回、クルーズやCROOZ SHOPLISTに対しても訴訟を提起していることについて、同2社はアマガサとは物流サービスに関わる契約や取り引きを何ら行っておらず、全く無関係であると説明。本件に無関係な訴訟提起を行った今回のアマガサの公表内容について、アマガサに対して名誉毀損、業務妨害、または不当訴訟などを理由とした損害賠償請求訴訟の提起も視野に入れた準備にもとりかかっているとしている。

 なお、アマガサではクルーズ側が主張する4億5000万円の未回収金は一切発生しておらず、請求に対して契約違反の事実はなく、請求に応じることはできないことを伝えているもよう。
 
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