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【EC支援の仕掛け人に聞く】 オープンロジの伊藤秀嗣社長 「テクノロジーの力で未来の物流作る」

2020年12月24日 00:00

「伸び続けるECの需要に“物流”が追い付けなくなる強い危機感がある。我々のサービスはまだまだ大海の一滴だろうが、テクノロジーの力で未来の物流を作っていく一助になりたい」――。

 オープンロジが展開するEC事業者などを主なターゲットとした物流作業の代行サービス「オープンロジ」が順調に利用者を増やしている。同社が全国の倉庫会社とあらかじめ契約し、価格交渉を行い、作業を標準化。サービスを利用するEC事業者らは個別に倉庫と契約したり、複雑な手続きを行うことなく、同社の専用サイトから簡単に倉庫に商品を入庫でき、商品の保管や梱包、出荷までの物流作業を一括でアウトソーシングできるサービスだ。

 固定費用は徴収せず、荷物単位での従量課金制で小規模な事業者でも手軽に利用できることも大きな強み。ちなみに入庫料はサイズに関わらず1個
18円。保管料は日額1個0.2円(SSサイズ=A4以内、厚さは2.3cm以内、1kg以内)~10円(140サイズ=3辺合計140cm以内、15kg以内)、配送料は1個口で370円(SSサイズ)~1220円(140サイズ)と(※沖縄・離島以外)なっている。

 
 同社を率いる伊藤
秀嗣氏が起業し、「オープンロジ」を開始してから7年が経った現在、同サービスの利用者数はおよそ8000社、提携する倉庫は30社と想定を上回るペースで伸びているよう。「我々のサービスは単に物流システムを提供したり、荷主と倉庫をマッチングするビジネスではない。荷主と倉庫会社の間に当社が立って、オペレーションまで入り込みながらひとつひとつ業務を標準化しながら、サービスを磨き上げ、積み上げてきた7年間だった。荷主からも提携する倉庫会社の双方から高い評価を頂いているが、今もまだサービスに磨き込みはその途上だ」と伊藤社長は話す。

 利用者にとって使いやすいサービスとなるよう「オープンロジ」の磨き込みをさらに図るため、矢継ぎ早に新たな取り組みに着手している。

 1つは「カスタマーサクセス」という大口利用者を支援する部隊の立ち上げだ。「オープンロジ」は価格設定と使いやすさなどから中小規模の事業者をメーンにサービスを提供しているが、利用者の中には着実に売り上げを伸ばし、月に1000件を超えるような出荷件数となるまで成長を遂げた事業者も少なくない。そうした事業者でも安心して「オープンロジ」を利用できるようおよそ10人からなる同部隊がサポート。翌月の出荷予定や新商品の発売計画、セールスキャンペーンの予定などを事前にヒアリングして、倉庫のスペース確保を準備したり、人員を確保するなどして“需要の波動”に備えることができるものだ。

 従来から「カスタマーサポート」という部門はあったが、標準的な対応にとどまっていたよう。また、急に「明日からキャンペーンが始まるよ」と利用者が通知しても、それに対応できないこともあり、「受け身ではなく、こちらからプロアクティブに接触して事前に対処するようにしたことで(満足度も)かなり高まり、継続してご利用いただけるようになっている」(伊藤社長)。


 一方の倉庫側の課題解決にも着手。同社が倉庫会社向けに提供しているWMS(倉庫管理システム)に倉庫現場の作業を可視化し、データを蓄積・分析できるLMS(作業管理システム)機能を5月に追加リリースした。庫内作業員の処理件数や労働時間など作業行動を可視化、生産性を把握できる機能だ。加えて、12月から日払い求人サービスを展開するスキマワークスおよびタイミーと連携してオープンロジと提携する倉庫会社に対し、繁忙期などの時に庫内作業員を紹介するサービスの提供を始めた。

「これまで見えにくかった倉庫内の作業量をLMSで可視化できるようにすることで、荷主が急激に成長したり、増えた場合でも対処できる。物量を他の倉庫に分散したり、あらかじめ倉庫側に『このくらいの作業員が必要になる』といったサジェスチョンができ、事前準備ができる」(同)ことに加え、「作業量によって人が必要な場合でも人手不足は課題だ。急には難しい場合はスキマワークスやタイミーからギグワーカーを紹介してもらい差分を手当てできるようにした」(同)という。
 
 
10月には住友商事ら複数の総合商社やベンチャーキャピタルを引受先とした第三者割当増資を実施し、17億5000万円の資金調達を行ったと発表。各出資会社と提携し、物流業務の受託などを進め、事業拡大を図る考え。


 「ますますECの需要が拡大していく中で物流を必要不可欠だが、配送員や庫内作業員など労働力が足りないという問題が顕在化している。これまでの物流のやり方自体を根本的に変えないとECの需要には追いつけなくなる危機感がある」(伊藤社長)とした上で、「我々はテクノロジーを使い、サイロ化された課題だらけの物流をネットワーク化し、データを起点にモノの流れを革新していく」(同)とし、インターネットにおいては情報がネットワーク上の最適ルートで届くように、データやテクノロジーの力で荷主や倉庫などをつないで最適なルートで荷物を効率的に届けることができる、いわゆる“フィジカルインターネット”という概念を具現化するため、「まだまだ当社のサービスは大海の一滴で物流全体を変えるような力はないかもしれないが、スピード感を持って次々、サービスやテクノロジーに投資していく。未来の物流を作っていく一助になりたい」と伊藤社長は意気込む。
 
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